何かが変わった [ 日本代表 ]
驚いた。何が日本代表をここまで劇的に変えさせたのだろうか。
コンフェデ杯ドイツ2005のグループリーグ第2戦ギリシャ戦は10の勝利。
前から積極的にボール奪いに行く姿勢、複数でかけるプレッシング、
ボールを奪った後の素早い動き出しとサポート、ボールを追い越して果敢に仕掛けるフリーラン、
そして強いフィニッシュへの意識。
ギリシャ戦の日本代表は、とにかくアグレッシブだった。
日本代表の試合を観て(TVでだが)こんなにわくわくさせられたのは、それこそ何年ぶりかだ。
ピッチ上にはリスクを負いつつチャレンジする姿勢があった。
久しく日本代表に見られなかったものである。
そして前線で高速につなぐパスワークも素晴らしかった。
私が日本代表に向けていた冷めたまなざしは開始10分で変わった。
ここ数年、一歩引いた視線で眺めるようにして見ていた私が、
純粋に日本の勝利を願い、大黒のゴールに素直に歓喜した。
それにしても、一体何がここまで日本代表を豹変させたのだろうか。
アジアカップレバノン2000でトルシエのサッカーが一気に花開いたように、
コンフェデ杯ドイツ2005でジーコのサッカーが一気に花開いたのか。
だがユース代表や五輪代表でその兆候を見せていたトルシエに対して、
ギリシャ戦をジーコサッカーの開花とするにはさすがに唐突過ぎる。
メキシコ戦で不甲斐ない戦いぶりを晒してから中2日しか経っていない次の試合で
ジーコ体制になってから初めてとも言えるチャレンジングな姿勢の表出は、あまりにも突然だ。
だがしかし、日本代表は確かに違っていた。それは事実だ。
問題は、それが持続するかどうか。
長らくリスクを負わない、志の低いサッカーのままで安穏としてきたがゆえに
また安住の地へと舞い戻ってしまう可能性は十分にある。
幸い次戦の相手はブラジル。
メキシコに負けたためにグループリーグ突破を直接日本と争うことになった。
最初からセコく引き分けを狙っては来ないだろうと期待したい。
そんな本気モードのブラジルに対して、自陣に引きこもってリスクを回避してカウンターを狙うのではなく
前から前から、積極果敢なプレー姿勢を見せられれば、一皮向けたと言っていいのではないだろうか。
一体何が契機になったのかはわからない。
だが、また私が純粋に応援できる日本代表が戻ってきてくれる、そんな予感に
今は少し嬉しい。