代表級 [ 日本代表 ]
Jリーグ第1節ガンバ対浦和戦の加地のゴールを見て、
一番驚いたのは(本人を除いて?)東京のサポーターではなかっただろうか。
私自身「あの加地が。。。」と絶句したし、
翌日の試合開始を待つ味の素スタジアムでも同様の声が聞こえてきた。
以前にも書いたことだが、自分に向けて「加地が日本を代表するレベルの選手であるか?」
という問いが発せられたとしたら、はっきり言って「疑問である」と答えざるを得ない。
サイドバックに求められる能力のうち、重要なものが優れているとは言い難いからだ。
目前に立ち塞がる相手DFをかわす突破力
ゴール前で待ち構える味方FWに合わせるクロスの精度
相手のサイド攻撃をくい止める1対1の守備能力
これらの能力において、加地は代表級であるかと言えば、難しいだろう。
しかし、次の能力においてなら話は別だ。
1試合を通じてポジションを上下させる運動量
攻撃参加を仕掛ける絶好のタイミングを見抜く戦術眼
言い換えれば、加地は知力と体力には優れるものの、技力(個人技)に欠けるのだ。
3つ並べるとそのうちの1つに過ぎないが、致命的であると思う。
もちろんそれは、一国を代表する選手としては
(少なくとも東京においては、突破力に関してはあまり問題にはならなかった)。
その加地がなぜここまで継続的に日本代表のレギュラーとして選出されているかと言えば、
まず第一に、Jリーグでは3バックが主流であるため、
純正サイドバック(3バックでのウイングバック/ハーフではなく)としてプレーする選手自体が少ないこと。
第二に、代表監督がJリーグの試合を観戦して埋もれた才能を発掘・抜擢する努力を怠っていること、
が挙げられる。
その加地が見せた浦和戦でのゴール。
三都主が作っていた浦和DFラインのギャップを突いて裏を取り(知力)
絶妙の肩トラップで三都主がチャレンジ出来ない位置にボールを落とし(技力)
利き足ではない左でボレーシュート(技力)
相手があの三都主だったのでかなり割り引いて考えなければならないが、
それでも、まさに代表級のスーパープレーには違いない。
W杯イヤーに臨む日本代表不動の右サイドバックとしての矜持が加地のプレーを変えたのだろうか。
願わくは、W杯本大会で私が、東京サポーターが、そしてその試合を観戦するすべての人々が
驚くような活躍を披露されんことを。
追記
記事中では触れていないが、記念すべき加地のJ1初ゴール(2002年J1リーグ2ndステージ第8節札幌戦)も
ハーフボレーの30mロングシュートと、実はすごいゴールだった。
記事を書くにあたって動画を探してみたが、見つからず。残念至極。