道のりは遠い [ FC東京 ]
J1リーグ第5節京都戦は2−1で勝利。
今の京都と当たったのは幸いだった。
勝てて良かった。
良かったが、ポゼッションサッカーが進化したかと言えば、残念ながらしていない。
今日の試合である程度ボールを保持することができた(東京の55%)のは、
私が再三にわたって言っているパスコースやスペースを作るといったことを意識してやっていたからではなく、
ひとえに京都のプレッシャーが緩かったからに他ならない。
今野や梶山が、のみならず憂太までもが余裕を持ってボールをキープできたのがそれを如実に表している。
中盤でボールをキープ出来たためにサイドバックが上がる余裕が生まれ、
どちらかのサイドでショートパスをつないで相手守備ブロックを引き寄せ、
これが逆サイドにスペースを作る効果をもたらし、サイドチェンジして相手を揺さぶることが出来た。
ただ、これは私の印象であるが、逆サイドのスペースを空けることを意図して
ライン際でショートパスをつないでいたようには見えなかった。
何とかして打開しようとしているがうまく崩せず、ふと気付いたら逆サイドがフリーだった、そんな感じだ。
これまでマイナスイメージを植え付けられてしまった私の先入観によるものだろうか。
攻撃の明確なビジョンを持っていないのは次のような場面で現れる。
後半30分過ぎだったか、東京が完全に押し込み、京都はゴール前に釘付け状態。
栗澤がペナルティエリアの外側右サイド寄りでボールを持ち、どうしようかとルックアップしている。
するとササがゴール前から落ちてきた。
栗澤からボールをもらってルックアップし、栗澤にボールを返してまたゴール前に戻っていった。。。
これじゃただの時間の浪費である。
トップの選手がボールを引き出すためにポジションを下げたのだから、
周りの選手はそれを生かすように連動して動かなければ意味がない。
この時は敵味方がゴール前に密集して難しい状況ではあった。
だがポゼッションに必要な、パスコースの確保し、スペースを空け、フリーの選手を作るために
連動して動く、展開を予測して走る、次を意図してボールを動かす、明確なビジョンを持つ、
これらが出来ていないことを端的に示す場面だったと思う。
厳しい言い方かも知れないが、ポゼッションサッカーを掲げてはいるものの、
まだ実現に向けた具体的な一歩を踏み出していない、私にはそう思える。