人生最長の一日 [ FC東京 ]
朝7時に起床、夜11時には家に居たから、時間的には全然最長じゃない。
でも気分的には、11月3日ナビスコ杯決勝の一日は間違いなく人生最長の一日だった。
8時過ぎに家を出る。
8時50分頃、代々木駅付近通過中に、千駄ヶ谷駅前で待ち合わせする予定の友人から電話。
駅前ではなく、もう列に並び始めていると言う。
気が逸ったのかな、と思ったが、千駄ヶ谷駅に着いてみると赤い「チケット譲ってください」隊がたくさん。
こりゃ居づらいわ。
結果的に15分ほど先乗りすることになった友人は、何とか言う公園内の折り返しポイント少し手前に居た。
我々の前に一体何人いるのか、見当もつかない。
せっかく持ってきたピクニックシートもクッションも役に立たないかな、と思った。
私は今年の夏前に腰を悪くし、長時間立っていたり、あるいは座っていることが出来ないのだ。
しかも行列が10分おきくらいにジワジワ進むおかげでゆっくり寛げない。
10時。
開門したらしく列の進みが速くなる。
10時20分に千駄ヶ谷門内に侵入、10時35分に荷物検査ゲートを通過。
10時45分にゴール裏バックスタンド寄りに席を確保した。
前段にしたために(後段なら空いていた)”都心”からやや離れてしまったが、まぁ良しとする。
しかし、いくらなんでも出足が早過ぎる。
浦和みたいに総数が多くないのだから、精々2時間前に開門入場する程度で充分だ。
初めて決勝の舞台を踏むから致し方ないが、次回はその辺が整理されてくるだろう。
サポーターの数があまり変化しないと仮定しての話だが。
もう場所は残っていないかもと思ったが、時刻は11時前。
3時間以上も国立の座席で過ごすのは今の私にとっては拷問に近い。
コンコースにピクニックシートを広げるスペースを探しに出ると、運良く見つかったので
そこに寝っころがってプラカードが配布される12時まで、
伊坂幸太郎の「陽気なギャングが地球を回す」を読んでいた。
前哨戦での東京(U?)の勝利を見届けて、プラカードをもらうと再びコンコースのシートへ。
昼食を食べていると、12時半頃もう一人の友人が合流。
フリーのライターさん(サッカーとは無関係)なのだが、
「J's Goalのライブ中継を横目に見ながら仕事してたら、居ても立っても居られなくなって来ちゃった」
とか言っている。
おいおいそれで仕事大丈夫なのか。
13時。
係員が座席チェックをすると言うので席へ戻る。
本当はあと30分くらい寝っころがっていたかったのだが。
応援の練習(?)の後、いよいよスタメン発表。
いつも私はユルネバでスイッチが入るのだが、昨日は選手紹介から全開だった。
絶叫である。
月曜、火曜と早めに仕事を切り上げて、早めに家に帰り、早めに寝ていたので声はよく出る。
行けるぞ。
だがユルネバを歌い終わったところで、頭に血が上って頭痛がしてきた。
ヤバイ。
ちょっと抑えた。
リーグ戦でも何でも、試合前は絶対勝てると思っている。
何の根拠もないし、実際勝つのは半分をやや超えるくらいだから全く当てにならないのだが。
今シーズン、唯一勝てる気がしなかったのが、2nd第6節浦和戦だった。
だが今回は前日までどうかなぁと心配だったのに、
当日になってみると勝てる気満々、全く負ける気がしなかった。
試合は、プレッシャーに屈することなく、まさに死力を尽くした戦いぶり。
優勝を争う決戦におけるメンタルに関しては、私が心配する必要はなかった。
私も、全力を尽くせと選手に向けて言っている以上、自分が全力を尽くさないわけには行かない、
と自分自身を叱咤激励しながら応援していた。
最後のPK戦。
あんなに興奮したPK戦は初めてだ。
加地はよく決めた。
120分間あれだけ走っていながらよく決めた。
原監督じゃないが私も目をつぶりたくなった。
アジアカップで酷使された経験が生きたのかも知れない。
だとしたらジーコに感謝しなければならないのか。うーん複雑だ。
試合が終わった後はもうクタクタ。
声出し過ぎでのど痛いし、腹式呼吸し過ぎで腰の筋肉がピクピクしてるし、拍手し過ぎで手は腫れるし、
疲労困憊だった。
明日休みてぇーと何度思ったことか。
本当に疲れていたので、元々酒を飲むのが嫌いではない程度の私は、
祝杯を挙げるのは祝勝会中に飲んだ缶ビール1個だけにして、
友人と調布のらいおんらーめんを食べた後帰宅した。
まさかこんなに早くタイトルが取れるとはね。
私はもっと先になるだろうと思っていた。
天皇杯と違ってナビ杯は、試合数は多くはないものの期間的に長期に亘る。
それだけチームの総合力が必要とされるだろう。
その意味で、格は下だが意義としては天皇杯よりも上かも知れない。
いずれにせよ、東京の歴史はまだ始まったばかりだ。