足元パス、スペースを狙うパス [ 日本代表 ]
日本対タイは41で日本の勝利。
まぁ日本が勝つよね。例え内容がダメでも地力で勝る日本が。
逆に言えば日本の地力とは今、それぐらいのレベルだということ。
しかし内容に関しては、ネットを見るとオマーン戦に引き続きダメだったという意見が多いようだ。
どのような内容のサッカーを(主観的に)おもしろいと思うかは人それぞれな部分があるので、
これは私的な意見になるが、私が今の日本代表のサッカーがつまらないと思う理由は、
スペースを突く動き、スペースを突くパスが非常に少ないからである。
長谷川健太もBS1の解説で言っていたが、今の代表は足元パスばっかりなのだ。
では足元パスはなぜつまらないのか。
簡単だ。
意外性がないからである。
スペースというのは文字通り、空間。
人やボールのない空間である。
スペースを狙うためには、まず、グラウンド上という2次元的な世界で、
味方や相手選手の向こうにあるスペースを見つけ出す目が必要であり、
そこに味方が走り込むことを、味方からパスが出てくることをイメージする想像力、
そしてイメージを実際のアクションとして実行する程に高められた、
ボールホルダーとボールレシーバー間の信頼(連携)が必要である。
グラウンドを俯瞰で見下ろす”神の目”を持つ観客にとっては、
どこにスペースがあるかは丸分かりである。
スペースを狙うパスも大部分は予想の範囲内となる。
だがそれでも、足元パスばっかりより、必要とされる想像力に雲泥の差がある。
そして”神の目”をも凌駕するパスが繰り出された時、観客は驚嘆するのである。
内容がダメなら、せめて死力を尽くして必死に戦ってくれとも思うが、
これまでの戦いぶりを見る限り、それも期待できない。
だから、オマーン対イランは、観る方にとってはオマーンが勝ってくれた方がありがたかった。
オマーンが勝っていた場合、勝点は日本6、イラン3、オマーン3、タイ0となり、3強1弱の構図になる。
オマーンがタイに勝利することは濃厚であり、その場合イランは日本に勝つことが必須条件となる。
日本も必死のイランに対して力を出さざるを得ない。
もし負ければ、2勝していながら得失点差の勝負で競り負けてグループリーグ敗退という
アトランタ五輪の二の舞になる可能性が出て来るからである。
だがこれは今となってはあり得ない仮定の話。
ユーロスポーツで中継されることになったアジア屈指の好カードは、欧州人の目にどう映るのか。
少なくとも日本の評価を上げる材料にはならないのが残念である。