偵察 [ 日本代表 ]
アジアカップの開催国ベトナムが熱いという評判だったので
先日の日本対UAEに先立って行われた、ベトナム対カタールの試合を録画で観た。
ベトナムでは2000年にプロ化を前提にVリーグがスタートして、01年にプロ化。
日本と同様にプロ化が代表の強化を大きく牽引しているようだが
なるほど、試合序盤こそ安全第一に長いボールを蹴っていたが、
落ち着いてくるとボールをきちんとつないで攻撃を仕掛ける。
この辺りを観ると以前より個々のスキルがアップしているとは思うが、
解説の木村が散々言っていたほどレベルは高くない。
木村は昔のベトナムと引き比べて驚きの余り高い高いと言ってしまうのだろうが。
それからチーム戦術的にも、意志統一はかなり強固にされているが
質的なレベルはそんなに高くない。
要は引いて守ってカウンター、ただしFWに任せっきりにしないで
中盤や、時にはDFラインからもフォローが出る。
遅効の時はボールをつないでサイドからのクロスを狙うが、これはあまり怖くない。
サイドの高い位置でボールを持った時、
相手DFを抜いて深い位置からクロスを上げることをしないからだ。
おそらく相手をかわすだけのスキルがないので、チャレンジしてボールを取られるよりは
早めに上げてしまおうということなのだろう。
だから位置的にはアーリークロスだが、
タイミング的にはアーリーではないという状態になり、精度も良くない。
日本のCBなら危な気なく対処出来るはずだ。
だからやはり日本が失点するとしたら、守備が整わないうちにシュートに持ち込まれた時。
今の代表は人数をかけて攻撃をするので相手のカウンターが余計怖い。
ベトナムのFWはシュートへの意識が高く、遠目からでも積極的に撃ってくる
(なかなか相手DFを崩した状態を作れないという事情もあるだろうが)。
精度はイマイチだが、それでも1試合に1、2回はハマる場合がある。
相手の守備で特徴的なのが、基本4バックなのだが、CBが4人いるような状態なところだ。
4人のDFは、ペナルティエリアの幅から出ない。
おそらく高原には3人がマークに付くだろう。
サイドに進出して来た相手には、サイドハーフがケアに当たる。
普通はSBがまずケアに当たり、サイドハーフが戻って来てサンドすることになるが、
そんなことはしない。
この場合、たとえサイドで数的優位を作って良いクロスを上げても、
中央には4人のCBがいることになる。
引いた上に最終ラインに人数をかけて守るので、高い位置でボールを奪うという意識はない。
だからひとつのポイントはミドルシュートだろう。
中村憲や遠藤はより一層シュートへの意識を高くして望む必要がある。
これまでの日本は、かなり慎重に試合に入っているようだが
ベトナム戦はまず最初に前線からプレッシャーを強くしてラッシュをかけたい。
そこで先制を奪えれば万々歳、ダメならじっくり攻める。
私ならそうするが、オシムはどうするか。