俺は松木が好きだぞ [ その他サッカー ]
アジアユース選手権での、解説になっていない松木の解説が槍玉に挙げられている。
私も普段の松木はあまり好きではない。
松木だけではなく、今現在地上波で解説をしてる解説者のほとんどがそうだが
目の前で起きてることを反芻してるだけだ。
「今のシュートはちょっとアウトにかかってしまいましたねー」
そんなの見りゃわかる。
現象に到る原因を述べてもらわないと。
(そんな解説者の全体的なレベルの低さも遠因だが)
準決勝韓国戦の松木くらい突き抜けてしまうと、私的にはそれはそれでオッケーだ。
前半終了直前、渡邉のゴールで同点に追いついた時の
入れたぁぁぁぁぁぁああああああ!!!
という腹の底から沸き起こるような絶叫を聞いた時、
こいつは全身全霊でU19を応援している、選手とともに戦っている、そう思った。
その時から松木が、松木の熱さが、好きになった。
また、別の人、別のシチュエーションで印象的なシーンがある。
ドーハの悲劇。
イラクの同点ゴールが決まり、終了のホイッスルが鳴って、
崩れ落ちる選手たち、なぐさめるオフトの姿を映した後、TV東京のスタジオに戻った。
柱谷幸一が、泣いていた。
松木のように感情が素直に表に出るタイプではない彼が。カメラの前で。
抑えきれなくなった涙をこぼしていた。
彼も選手とともに戦っていたのだ。東京で。スタジオの中で。
表に出る人も、内に秘める人も、熱い思いを胸に抱いている人が好きだ。
■番外編
ボクシングの中継で忘れられない解説を覚えている。
ガッツ石松である。
1990年10月27日。
当時150年に一人の天才と謳われ、WBC世界ストロー級王者だった大橋秀行の2度目の防衛戦。
相手はリカルド・ロペス。
最初は普通に解説していたガッツだったが、大橋が劣勢だったこともあり、だんだんと白熱してくる。
そして突如
大橋ボデー!!
と叫び始め、実況アナの呼びかけにも応じず、
解説そっちのけで大橋へ直にアドバイスを送り始めるガッツ。
だが、ひとしきりアドバイスを送った後、
ダメだこりゃ
と一言。
その言葉の通り、大橋は5回にノックアウト負け。
大橋から王位を奪ったロペスは21度の防衛を果たした後、無敗のまま王座を退くことになる。
偉大なチャンピオンを生んだ歴史的一戦を彩る名解説(?)だった。