陰ながら、神戸 [ 女子サッカー ]
日本女子サッカーリーグ(Lリーグ)は17日、後半戦の日程を一部変更し、10月23日の1部(L1)の日テレ−宝塚をヴェルディ対清水は16:00キックオフ。
Lリーグでは初めて東京・国立競技場で開催すると発表した。Jリーグと連携し、この日は1部(J1)の東京V−清水が
行われた後に実施する。10月2日の大阪・万博記念競技場での高槻−TASAKIも、G大阪−C大阪の試合後、同会場で行う。
ガンバ対大分は14:00キックオフ。
従って、日テレ対宝塚は19:00キックオフ、
高槻対TASAKIも17:00キックオフということになるのだろうか。
こういうの普通は、メインの試合前に前座としてやるもんなんだろう。
何でまたJの試合の後なんぞにやるのか。
お客帰っちまった後にやるの虚しいだろうよ、と思うのだが。
その辺の事情は、2002Worldのこのコラムを読むとわかる。
芝生の上でやるというサッカーだけに、前座を組むことはそれ自体がリスクになってしまうのだ。
他のスポーツではたかが前座だが、サッカーにおいてはそうではなくなってしまうのである。
Jのクラブが二の足を踏む気持ちはとてもよくわかる。
紹介したコラムでも言及されているが、ヴィッセル神戸というクラブは
とても大きなリスクを背負ってTASAKIに協力している。
ちょっと見直したよ、神戸。
手は届く [ 女子サッカー ]
負けてしまった。
アテネ五輪女子サッカー準々決勝日本対アメリカは12で敗戦。
日本は自分たちのサッカーが部分的にしか出せなかった。
例えば川上のオーバーラップ。
フェイントではなく、ボールを弾いてそれを追っかけるようにスピードで抜くタイプの川上に対して
アメリカは必ず数的優位を作り、カバーを行うディフェンダーはやや距離を置いて
最初からスピード勝負に持ち込ませない形を作っていた。
不動の左サイドバックだった川上の交代は、
アメリカの川上封じが効いていたために、そうせざるを得なかったと言える。
そして、失点後の日本の攻撃。
結果的に失点した後の日本は、落ち着いてボールを回し、
自分たちの形を作ることが出来なかった。
前半終了直前の失点は、ハーフタイムを挟むことで修正が効いた。
しかし2点目の失点、そしてナイジェリア戦の先制点を失った後は
焦ってロングボール一辺倒になってしまった。
縦へ縦へと急ぐあまり、サイドチェンジなど横へボールを動かすことができず、
日本が得意とする、サイドのスペースを有効に使うことが出来ない。
逆にパワープレイに持ち込むべき終了間際の時点では、
それまで何度も失敗していたイメージが強くあるためか、
簡単にボールを放り込むことが出来なくなっていた。
最後に力を出し切れなかったのは残念だった。
だがこれまでの実績を考えると、日本と世界との距離は劇的に縮まったと言える。
五輪で初勝利を挙げた。
これまで大差がついていた世界大会における強豪との対戦は僅差のゴール差だった。
そして何よりも、自分たちのサッカーが世界に通用すると確認できた大会だった。
女子サッカーの歴史は始まったばかり。
世界はもう手が届くほどに近づいている。
私たちは、前を向いて一心に歩む彼女たちの姿を見つめている。
相手にとって不足なさ過ぎ [ 女子サッカー ]
五輪女子サッカーの8強が出揃った。
決勝トーナメント表を見ると、ナイジェリアに負けたことが本当に残念だ。
これで日本が1位通過していたら、左のブロックにドイツ、アメリカ、スウェーデンの3強が
ひしめく結果になっていた。
しかも右のブロックは開始時刻が遅く、運動量が多い日本のサッカーにとって有利に働く。
おそらくギリシャが通過を果たした時に、
少しでも有利になるように作ったトーナメント表なんだろう。
日本としてはまたとないチャンスだっただけに、今更ではあるが本当に残念だ。
とか何とか言ってるのはおそらく外野だけで、本人たちはもう切り替えてるだろうけど。
次戦アメリカとは五輪出場決定後にアウェイで2戦2引き分けに持ち込んでるだけに
思いっきりのいいサッカーを見せてくれるはずだ。
今度は日本が中5日で休養充分。
アメリカの待ち受けるテッサロニキに乗り込んでの撃破を誓う。
荒川 地獄の淵から蘇った大器 [ 女子サッカー ]
ニッカンなでしこ快挙五輪初勝利!
試合中ずっと息苦しくて、胸がおかしくなっちゃったんじゃないかと思った。
スタジアムとかフットボールバーで観る時は
無我夢中で応援モードに入るから緩和されるんだろうけど
自宅のTVの前でじっと観てると緊張が高まり過ぎる。
冒頭に挙げたニッカンの記事は、荒川が大怪我した時の逸話が載っていて必読である。
メキシコとの03年W杯予選プレーオフから観始めた私の印象では
W杯本大会の後から頭角を現した若手と言う印象が強いが、
2トップの相方である大谷とは同世代。
既に3年連続Lリーグ得点王という輝かしい実績を持つ大谷と比較して
荒川が遅れて来た大器という感のある理由は、この大怪我にあった。
「人生、これもあり」
同じ境遇に置かれた時、自分は笑って許せるだろうか。
荒川が人間的にも大きいと感じさせるエピソードである。
次戦は中3日でナイジェリア。
相手は今大会初の試合となるだけに、選手の疲労がちょっと心配だ。
猛暑のLリーグ前半戦最終節や、壮行試合のカナダ戦でもなかった
選手たちの”足が止まる”様子が見られたからだ。
これは単なる憶測に過ぎないが、涼しかったオランダ合宿の影響があるのかも知れない。
最終調整試合となったオランダ戦では、気温18度だった。
内容的には文句の付けようがない。
あとはコンディションだけだと思う。
ナイジェリア戦は優位に進めて、疲れた選手を休ませる交代が出来るようにしたい。
Fight for the Future [ 女子サッカー ]
なでしこジャパンvs.スウェーデン女子代表プレビュー(前編)
なでしこジャパンvs.スウェーデン女子代表プレビュー(後編)
2002Worldの女子代表プレビューである。
日本について書いてある記事は数あれど、
スウェーデンの戦術にまで踏み込んでいる記事はなかなかないだろう。
スウェーデンの特徴、それに対する日本の戦い方までを記した貴重なプレビューである。
(ついでに言うと、8/9付ブログオランダ女子代表対なでしこジャパンで私も指摘した
オランダ戦における川上のオーバーラップの少なさの理由について、
一つの仮説が提示されているのも興味深い)
決戦は数時間後に迫った。
私などが応援するまでもなく、彼女たちはそれこそ死力を尽くして戦うだろう。
だが、たとえ遠く離れていても、ブラウン管越しであっても、私は叫ばずにはいられない。
がんばれ!がんばれ!!がんばれ!!!
オランダ女子代表対なでしこジャパン [ 女子サッカー ]
アジアカップ決勝の後、8/8(日)午前2:50放送予定だった
オランダ女子代表対なでしこジャパンの練習試合を録画しておいた。
それを昨日観たのだが、テープを巻き戻すと何やら意図しない番組が写っている。
テロップを見ると野球が延びたために放送時間を60分遅らせているとのこと。
あちゃーと思ったが、後ろの方を確認すると何故か最後まで写っていた。
家人に聞いても、誰もビデオをいじっていないという。
どういうことだろうか。
それはともかく。
最後の調整試合となるオランダ戦での女子代表は、
基本的には良い内容だったが、ちょっとだけ不安の残る内容だった。
対するオランダは先日のカナダ同様、五輪への出場権は持っていない。
監督は交代し、この試合は臨時の監督が代行を務めていたようだ。
チームも世代交代を図ってスタートを切ったばかりらしく、
後半開始に先発11人をそっくり入れ替えるという荒業を使っていた。
しかしモチベーションは高い。
再出発にあたり、これからは自分がチームを背負って立つ、
あるいは中核に食い込もうという気概が見える。
組織としては歴然の差がありながら、一人一人が球際激しく当たってくるので
内容にはそれほど差が現れてこない。
しかもボールコントロールが結構うまい。カナダとは比較にならないくらい。
日本のディフェンスが個人技でかわされる場面が結構あった。
このへんはさすがオランダと言うべきか。
日本はこれまで通り、早いチェック、ボール奪ったら素早く動かし、
最終勝負で川上、小林、荒川のドリブルからクロス、あるいはスルーパス。
目指すものはかなり出来ていたと思うが、不安が残ったのは以下の部分である。
まずサイド攻撃が少なかった。特に、右SB川上のオーバーラップする場面を作れていない。
そして、澤の不調。
Lリーグ前半戦の最終節、7/25の日テレ対TASAKIの試合でも感じたことだが
澤が調子を取り戻せていない。
五輪予選の時には他の選手とは別格のプレーの輝きがあり、
ピッチ上で澤だけが浮き上がって見えたものだが、今は周囲に埋もれてしまっている。
TASAKI戦ではまぁまだ時間はあるし、と思っていたが
スウェーデン戦を5日後に控えたオランダ戦でのプレー内容を見る限り、
はっきり言って楽観は出来ない。
しかし明るい材料もある。
澤に取って代わるように、荒川が才能を開花させつつある。
まだ予選時の澤ほどではないにせよ、荒川のキレのあるプレーは
カナダやオランダを相手に回しても、一種の風格を漂わせるまでになっている。
ドリブル、フェイント、スピード、トラップ、ボールへの執着心、ゴールに向かう姿勢。
昨年のW杯ではまだ控えに過ぎなかったこのFWは、多くのものを兼ね備えるに至った。
これが五輪の本大会で世界の強豪を前にした時どこまで通用するか、それはまだわからない。
だがひょっとするとアテネ五輪が終わる頃、
なでしこジャパンは荒川のチームになっているかも知れない。
なでしこジャパン対カナダ女子代表 [ 女子サッカー ]
五輪代表の壮行試合は男子、女子ともにいい試合だった。
男子は書く人がいっぱいいるだろうから、私はなでしこジャパン対カナダ女子代表の方を。
アフロ荒川がキレキレ。
澤がいなくとも彼女がいれば何とかなるんじゃないかという出来だった。
逆にアフロは、遠目にはそれほどインパクトはなかった。
川上の運動量はすごい。
右サイドハーフのいない変則の442の右サイドバック。
つまり川上は、守備では右サイドバック、攻撃では右サイドハーフの両方の仕事をこなしている。
北朝鮮対策から生まれたこのシステムは、川上の恐ろしいほどのスタミナあっての物だ。
それにしても、カナダ女子代表は悪すぎた。
モチベーションの面で全く乗っていなかった。
「なまじ快勝なんかして、問題点が隠れたままオランダに飛ぶほうが良くないと思っています」
と言っていた上田監督には、期待外れの相手だっただろう。
フィフティボールには踏み込めない、マークはすぐ離す、1対1に粘りがない。
これではね。
ハーフタイム中に監督からカツを入れられたのか、後半はややボールに対する執着心を出してきたので
やっぱりコンディションではなく、気持ちの問題だったのだろう。
そして効果的ではなかったので戦術的に狙っていたのかは不明だが、守備ブロックが引き過ぎ。
4バックと中盤5人が2ラインを作って日本の攻撃を受け止める形だったが
ボランチ宮本が余裕を持ってボールを捌けるくらい引いている。
後半もこの戦い方は変わらなかったので、狙ってやっていたのだろうか。
さすがに本番では、中盤であれほど自由にボールを持たせてはくれないだろう。
攻撃は適当に前へロングボールを出すだけ。
しかも意図のあまり感じられない、ヘボいフィードばかりなので全くつながらない。
サイドからクロスをガンガン上げてきて、中でガチンコ勝負という風では全然なかった。
スウェーデンのシミュレーションには、100%とまでは言わないが、90%ならなかっただろう。
カナダもW杯ベスト4のプライドはどうしちゃったのか。
そういう意味では、できれば五輪出場国とマッチメイクしたかった。
ドイツとか。体格的にはオーストラリアもかな。
実力的にはよくわからんけど、
以前ヌードカレンダーを作って話題になったあの国なのでプロポーションはいいのかも。
とは言え、日本の攻撃の形は良かった。
引いている相手をドリブル突破やサイドから崩しての得点である。
良いイメージを持って本番に望めるだろう。
あと11日。
のっけから決戦となるなでしこジャパンの緒戦を、刮目して待て。
追記
昨日、Lリーグのオフィシャルページと
いつの間にか日本サッカー協会の女子サッカーのページがそれぞれ開設。
少し前の話題になってしまうが、JFAの方のLリーグマッチレポート日テレ対TASAKIは、なかなか良い出来である。
応援せずにいられない [ 女子サッカー ]
2002Worldのなでしこジャパンvs.カナダ女子代表プレビュー。
絶対行けへんと思ってた五輪代表壮行試合。
なんとか午後半休が取れることになった。
19:20からの男子代表の試合には、定時ですぐに退社すれば余裕で間に合うのだが
私にとってメインイベントは、今や女子代表の試合になってしまった。
もちろん男子代表の最終予選での戦いぶりもすごかった。
特にUAEラウンドでは、ブラウン管越しにも気迫が伝わってきた。
だが女子代表からは、それをも上回るものをもらってしまったのである。
応援せずにいられない。
今の女子代表を応援せずに、何を応援するというのか。
それほどのものである。
でも、今日の一番の楽しみは荒川のアフロだけどね。