武器、それを生かすための強化方法とは [ 女子サッカー ]
東アジア選手権なでしこジャパン対女子韓国代表は00のドロー。
東アジア選手権は、初戦の北朝鮮戦と最終戦の韓国戦の2試合をTVで観た。
2試合の総合的な感想を述べると、
モチベーションの高まるタイトルのかかった大会等をもっと多く経験する必要がある、ということだ。
当たり前と言えば当たり前。
別に東アジア選手権の結果を見るまでもなく、関係者は切に願っていることではあるだろう。
だが、今回はそれが如実に浮き彫りになったと思う。
ワールドカップアメリカ2003、アテネ五輪を戦った上田体制から大橋体制に変わり、
リアクションサッカーからポゼッションサッカーへの大きな転換を図った。
強豪国を相手にすると、体格やフィジカルの強さで圧倒的な優位に立たれてしまう日本は
相手にボールを持たれてしまうと弱い。
上田体制では高い位置からのプレッシング、組織的な守備でそれを補おうとしていた。
大橋体制では逆の発想である。
つまりボールを保持し、主導権を握り続けることで、相手の優位性を発揮させないようにするというものだ。
相手の体格やフィジカルの強さは、高い技術とパスワークでかわす。
守備では(ここが男子代表と違うところだが)リトリートして1対1で対応するのではなく、
組織的な守備は継続して行う。
上田体制下においても、高い技術とパスワークが生かされる場面は多々あり、
それ自体は大橋体制の専売特許ではないが、
最初からそれを最大の武器として戦おうとするところが大きな違いだ。
そしてこれは結果を出してきた。
チャイニーズタイペイやニュージーランド戦はともかく、
オーストラリア(FIFAランキング15位、日本は11位)遠征で20、12の1勝1敗。
ロシア(同13位)遠征で42、20と2連勝。
東アジア選手権壮行試合でオーストラリアに42で逆転勝ち。
いずれも体格、フィジカルの強さで上回る相手に結果を残してきた。
しかもロシアと言えば現在のFIFAランキングでは日本とほぼ同じ位置にいるが、
99年のワールドカップで05と大敗した相手だ。
そのロシアにアウェイで2連勝したことで、日本の目指すサッカーは
ある程度の到達点に来た感があった。
しかし。
体格フィジカルにそれほどの差はないアジアを相手に、3試合で無得点。
3試合を1失点に抑えても、これでは勝てない。
得点できなかったのは、相手の早いチェックによって、
自慢のパスワークが生かせず、相手を崩すことが出来なかったためだ。
ボールに対する出足の早さと球際の激しさは、モチベーションに比例すると言っても過言ではない。
これまでオーストラリアやロシアに通用してきたパスワークがアジアに封じられた最大の要因は
相手が親善試合モードではなく、本気モードであったことだと思う。
ただ、試合を観る限り、個々のスキルをアップさせるのではなく
ハイプレッシャーの中の試合を経験していけば、流麗なパスワークを発揮して
得点を重ねることが出来るようになるのではないか。
少なくともアジアレベルにおいては。
そう思う。
ゆえに私は、最初に述べた結論に至ったのである。
とは言えそれは、大会そのものがあまりないために難しい。
手近な方法としては、男子と練習試合を行うことだが。
日本の武器を生かすために、強化方法のアイディアが問われる。
男子とは違う [ 女子サッカー ]
なでしこジャパン対ニュージーランド女子代表の試合を録画で観た。
試合のあった21(土)に時間差で放送された、1時間くらいあるやや長めのダイジェスト。
いい試合だった。もちろん日本にとっては、だが。
西が丘に行かなかった理由が「ナビ杯を観るから」でなかったら、かなり後悔していたであろう内容だった。
インタビューでよく個人技とパスワークを強調する大橋監督だが、
それ以前から、女子代表は実にきれいなサッカーを展開する。
もちろんアメリカやドイツや格上のチームとやる時にはなかなかきれいには出来ないが、それでも
実力が上のチームが、より力を入れて準備し、ホームの試合に臨んだのだから、間違いが起きるわけもなかったと断言できる程のものなのだ。
ジーコが監督に就任して以降、男子の代表が、格下を相手に
内容でも結果でも圧倒して勝つ、ということが今までに一体何回あっただろうか。
能力のない監督のおかげで、十分に力を発揮できない選手たちが可哀想になってくる。
その点、なでしこジャパンの選手たちは楽しそうだ。
統一された守備連携、見事なパスワーク、多彩な攻撃。
2、3本短いパスをつないだら、かなりの確率で長いパスを混ぜる。
それを闇雲なパスにしないためには、その瞬間ボールが動いている場所から遠いところで
パスを受けるアクションを起こす選手が常に必要である。
さらにそこへ的確にパスを供給するボールホルダーの視野と技術。
そしてその根本となる、攻撃に対する選手同士の共通の認識、ビジョンの共有。
こんなサッカーなら、また観たいと思う、応援したいと思う、自分でもやってみたいと思う。
男子の代表に見せて欲しいのも、そういうものなんだけどな。
情報欲しいね [ 女子サッカー ]
先日紹介した全日本女子サッカー選手権準々決勝。
Lリーグの公式サイトが専用ページを開設してて、
最も情報が早くまとまりそうな気配を漂わせているのだが、
試合から1週間近くたった今も更新されていない。
気配だけかよ!
公式ページだと日本サッカー協会の試合結果速報に簡単に載っているくらい。
もちょっと情報発信して欲しいなぁ。
さいたま 61 岡山湯郷
YKK AP 00(3 PK 4) 伊賀
TASAKI 50 宝塚
新潟 05 日テレ
注目に挙げていた岡山湯郷、新潟はともに5点差でさいたま、日テレに敗れた。
L1の中でも上位と下位のチームはかなり差があるから致し方ない。
私がちょっと期待をかけ過ぎていた。
この結果を受けて準決勝の組み合わせは以下のようになった。
さいたま対伊賀
TASAKI対日テレ
L1における対戦成績はさいたま対伊賀が、さいたまの2勝、TASAKI対日テレが日テレの2勝である。
今シーズンのL1の順位が如実に反映された成績だ。
大谷ファンの私としては、まず宿敵日テレを撃破、
決勝でリーグ覇者のさいたまを破ってTASAKIに優勝して欲しいところだが。
準決勝は明日19(土)に行われるなでしこジャパン五輪後初戦チャイニーズタイペイ戦を経て、
再来週29(水祝)に西が丘で開催される。
女子は準々決勝 [ 女子サッカー ]
女子の天皇杯(と言っていいのかな。目にした事はないが)、
全日本女子サッカー選手権が先週から始まっている(天皇杯は「天皇杯全日本サッカー選手権」が正式名称)。
優勝争いはやはり、3連覇を目指すTASAKIとLリーグを制覇したさいたま、そしてタイトル奪還を目指す日テレ。
1回戦が12月4日、2回戦が12月5日と、1回戦から勝ち上がってきたチームにとっては連戦となり、
1回戦シードのチームにとっては前日の試合の疲れが残る相手を叩けるという
非常に有利不利の分かれるトーナメント日程になっている。
1回戦シードはL1の全8チーム。
ところが、圧倒的に不利なはずの1回戦勝ち上がり組の中で、
シードを倒して準々決勝に進出したチームがある。
大原学園(L1 8位)を3−1で破ったL2優勝チームである岡山湯郷と、
高槻(L1 7位)を2−1で破ったL2準優勝チームの新潟である。
L2の上位2チームが、L1の下位2チームを打ち負かしたわけだが、
不利な日程をはねのけて勝った次の相手がまた興味深い。
来季L1に昇格する岡山湯郷が準々決勝第1試合@駒場で対戦するのはL1王者さいたま。
アルビレックス新潟の女子チームであり、その勝利によって震災後の新潟を勇気づけたい
新潟が準々決勝第2試合@ひたちなかにて挑戦する相手は日テレ。
純粋に試合に対する興味としても注目の一戦だ。
なのだが、嗚呼、準々決勝は12月12日、午前11:00もしくは午後1:30キックオフ。
見事に天皇杯五回戦と入れ替え戦に重なっている。
この3つの中でどれが一番観たいかと言われれば、それはやっぱり入れ替え戦。
大宮対東京はさいしょから録画するつもりだからいいとして、
ネット中継が観られなかったらどうしよう。
つかどうしてくれるんだJ'sGoal。
いやどうしてくれようかJ'sGoal。
経験の積み場所 [ 女子サッカー ]
2002WorldのL・リーグ第13節 日テレ・ベレーザvs.宝塚バニーズレディースSCマッチレポート
華やかなステージがもたらした意外な大差。日テレ、奇蹟への猛チャージ。
さすがに、一見さんである私の感想とは奥行きが違う。
比較するのもおこがましいが。
私が感じたように、実力差はあった。
だがそれは、経験の積み重ねによるメンタル面での強さを加味してのもの。
心技体のうち、技と体は本来(と言うべきかどうか)の姿ではなかった。
マスコミの報道、Jリーグの後座試合という仕掛けによる2800人の観客の目がなかったら
あれほど一方的な試合にはならなかったということだ。
しかしそれは逆に言えば、2800人の観客の存在によって発現してしまう差が
Lリーグ1部のチームの間に厳然としてある、ということでもある。
が、国際大会の予選や本大会でしか積めなかった経験が、
Lリーグでも積めるようになったという意味で、大きく前進している。
それもまた確かなことだ。
考えてみれば、女子サッカーには経験を積める舞台がそもそも少ないのだ。
大会の数を増やすには競技人口の増加が必要で、
そのためには、ピラミッドの頂点たる代表の活躍が不可欠で。
うん、発展途上であるということは、未来は開けているということだ。
J to L [ 女子サッカー ]
J12ndステージ第10節横浜戦は12で敗戦。
選手にとってはリーグ戦は終わってしまったのだろうか。
決勝に向けてケガはしたくないし。
そう思いたくなるような試合だった。
そういうのって結構プレーに現れる。
とくに接触プレーの直前に。
例えばフィフティボールへの踏み込み。
2ndステージ第6節浦和戦や、ナビ杯準決勝ヴェルディ戦では
浮いたフィフティボールに頭から突っ込んで行くシーンが目立った。
気合とか、勝利への執念なんていう曖昧なものが、割合わかりやすく形になって見える瞬間だ。
決勝3日前となるアウェイの広島戦はどうなることやら。
L1第13節日テレ対宝塚は110で日テレが勝利。
横浜で選手の挨拶を見届けてすぐに国立へ向かう。
到着は7時10分過ぎ。
メインスタンドはそれなりに埋まっている。
ややアウェイの宝塚寄り、ちょうど記者席の前に座った。
ハーフタイムの時に後ろを振り返ったら、後藤健生が通路を挟んですぐ後ろにいた。
そう言えばU19日韓戦の時も同じような位置関係だったな。
試合はほぼベレーザのハーフコートゲーム。
同じ1部に属しているのに、これじゃ力の差があり過ぎると思う。
ひとりひとりの身体能力やボールテクニック、ポジショニングなどの個人戦術を含めた戦術眼。
アテネ五輪で活躍した荒川は、ここでも一人別格の存在感。
次代のなでしこジャパンは、間違いなく荒川が担うことになるだろう。
宝塚は結局無得点11失点という大敗だったが、
GKが気を吐いて3,4点を防ぐファインセーブを見せ、大きな拍手が沸いていた。
できれば1点を返す意地を攻撃陣に見せて欲しかったが。
私の前に座っていた、観戦歴に相当年季の入っていそうな3人連れ(うち一人は清水のレプリカ)の一人の
「今日は合わせて150か」
という呟きによって締めくくられた試合だった。
日々是決戦 [ 女子サッカー ]
グラウンドの歩き方〜Lリーグ編〜
文中に何度も出てくる”ひたむきさ”という言葉。
当ブログではよく”真摯さ”と表現している。
プロのようにプレーへの金銭的見返りがない中、ただ競技での達成感を求めて頑張る姿に心を打たれた…。選手の「気持ち」そのものが魅力になるってのは、確かにそうだと思う。
選手の「気持ち」そのものが魅力になって、サポーターたちを引きつけているのです。
でも、”競技での達成感を求めて頑張”ってるだけではないと思う。
なでしこジャパンもそうだが、女子サッカーを背負って立っている、というひとりひとりの自覚が
ワンプレーをおろそかにしないひたむきさの土台になっているのだと思う。
Jリーグの選手たち、フル代表、年代別代表の選手たちにも、
日本のサッカー界を背負って立っている一人なのだと、強く意識して欲しい。
今ここで、この瞬間にいいプレーをしなくては、明日はない。
そう思って一つ一つを大事にプレーしなければ、徐々に観客の心は離れていく。
アマチュアよりひたむきさに欠けるプロフェッショナルなんて、カッコ悪いぞ。
はしご [ 女子サッカー ]
ガンバの後座試合高槻対TASAKIに1500人。
1500人という数字を見て一瞬少なっ!て思ったけど、普段の約10倍なんだね。
まずは成功ということか。
TASAKIが首都圏に来る数少ない機会、10/17のさいたま対TASAKI@駒場は、
東京対磐田とかぶるために非常に残念だが行けない。
代わりにというわけではないが、日テレ対宝塚@国立の試合は観戦予定だ。
Lリーグ初の国立開催となるあの試合である。
この日は16:00KOの横浜対東京@横国の試合を観戦した後、
東京に舞い戻って19:00KOの日テレ対宝塚@国立を観戦する予定だ。
忙しい〜