方針転換 [ FC東京 ]
オフィシャルで発表されましたけれども。
マッシモ フィッカデンティ監督の退任について
次期監督は、ほぼ確定的なことしか書かないトーチュウでは城福監督の再任とのこと。
正直、この人事は疑問である。
2006年シーズンのガーロ監督就任以降、東京はポゼッションを基本とする
パスサッカーへと方針転換を図った。
次の方針転換は2014年のフィッカデンティ監督就任時の守備第一戦術への変更であり、
その間多少の違いはあれど、ポゼッションで相手より長い時間ボールを持つことで
守備機会を減らすことが失点の減少にもなるという考え方でほぼ一貫していた。
フィッカデンティ監督の場合は守備に時間を割くことを厭わない。
落ち着いて人数をかけて守って穴を作らない。
しかしカウンターを高速で撃って相手の守備が整う前に攻める
というわけではなく、あまりリスクを取らない。
今シーズンは徳永の攻撃参加が明らかに減り、攻撃は主に左サイドからだった。
左サイドには今や日本を代表するクロッサーとなった太田がいるからだが、
おそらくサイドからのクロスがリスクの小さい攻撃方法だったこともあるのではないだろうか。
攻撃はタレントに負う部分が大きいという考え方だろう。
城福監督は東京の歴代監督の中でも、最もポゼッションにこだわった監督だ。
ポゼッションをするには人数をかける必要があるわけで(少ない人数でポゼッションはできない)、
ボールを保持している内はいいが、ボールを奪われた時点でのリスクは大きい。
こういう最も基本的な部分において全く正反対の方針にしてすんなり行くとは考えにくい。
ポゼッションと基本とするパスサッカーは今まで東京で成功した例はなく、
守備第一戦術が功を奏して年間の総合順位が最も高かった監督と
契約を更新しないという判断はどうにも受け入れがたい。
少なくとも今の選手編成ではパスサッカーで良い内容、良い成績を残すことは不可能だろう。
今までさんざん見せられてきた、相手守備ブロックの周りで延々とボールを回す姿を
また見ることになるのかと思うと、今から憂鬱だ。