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井原 [ 年代別代表 ]

井原の五輪代表コーチ就任が確定的だ。
素晴らしいプレーヤーだったことは認めるが、彼のサッカー観が私は嫌いである。
井原は若い世代育てたいなどとのたまっているが、
引退後の彼の言動を見聞きする限りでは、若年層のコーチに適した人材ではない。

2003年5月頃、井原が朝日新聞紙上で連載していたコラムを巡って、読者から大きな反響があった。
コラムの趣旨は、浦和の坪井を名指しして、プロフェッショナルファウルをしないことを批判するものだった。

新聞紙上で議論の対象になったのは、プロフェッショナルファウルが必要か否かだったが
私はその点については問題にしていない。
私もプロフェッショナルファウルそのものを否定する立場ではないからだ。

だが、どんな状況でも、どんな選手に対しても
ファウルなどせずにボールを奪えればそれが理想である。
プロフェッショナルファウルは、それが出来ない、言ってしまえば下手なディフェンスがすることだ。

技術を磨いてディフェンダーの極北を目指す若い選手の理想を否定し、
安易なプロフェッショナルファウルに逃げろと言う井原に、
若年層のコーチとしての資格があるだろうか?

またこんなこともあった。
誤審問題として議論を巻き起こした、
2005年シーズンのJ1開幕戦横浜対磐田で起こった、福西のハンドによるゴールに関してである。

この試合、私はTV観戦をしていたが、その解説をしていたのが井原だった。
審判がハンドであることを見逃すのは仕方ない。
見る角度などによることや、審判は選手と同じグラウンドレベルにいることを考え合わせれば、
ハンドの見逃しが起きることはむしろ当然のことと言える。

私は俯瞰の角度のTVで見ていても、リアルタイムには気付かなかった。
問題はリプレイが流れた後である。
井原は、それを見ればハンドであることは明白なリプレイを見てもなお、
福西のゴールを”素晴らしいゴールですね”と評価したのだ。

これは一体どういうことだ?
井原にとっては、手で入れようが何しようが、審判に認められさえすればそれが”素晴らしいゴール”なのか?
私には到底受け入れられないサッカー観である。

井原はこのコラムの中で、ジダンの頭突きに言及して
”暴力行為は絶対にやってはいけない。決勝を見ている子供たちもたくさんいたのだし”
という意味のことを述べている。
どの口がそんなことを言えるのか、ちゃんちゃらおかしい。
五輪代表コーチというステータスのある地位が現実的になってきたが故の、アピールのつもりだろうか。

一般の新聞紙上やTVでおおっぴらにプロフェッショナルファウルを推奨し、
ハンドによるゴールを賞賛することが、子供たちに悪影響を与えないわけがないではないか。

コラムを読み、なんとかファウルをせずにボールを奪うよりも、
ファウルで止めることが誉められるべきプレーだと理解したら、子供たちはどうするだろうか。
ハンドによるゴールであってもそれが素晴らしいと解説が言うのなら、
子供たちは別にやってもいいんだと考えるようになりはしないか。
それらは日本代表史上に燦然と輝く、国際Aマッチ123試合出場の記録を持つ、
あの井原から発せられているのだ。

彼は実際にU19、17といった若年層の代表コーチに就任したら、
プロフェッショナルファウルで止めろと教えるのだろうか。
私は言わずにはおれない。
井原正巳は五輪代表、さらにその下の年代のコーチとして不適格である。

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