風格 [ その他サッカー ]
プレミアリーグ第36週 エバートン対マンチェスターUをTV観戦。
この一戦、試合前に4月25日に急逝したアラン ボールの追悼が行われた。
黙とうではなく、拍手に包まれる中天国に召されたアラン ボールだったが、
ピッチ上に参列したエバートン会長(?)の悲しみを押し殺したような表情が印象的だった。
アラン ボールはエバートンに5年間在籍、
グディソンパークはアラン ボールを追悼する横断幕やフラッグで覆われ、
サポーターの歓声もひときわ大きく聞こえる。
そんな中、エバートンイレブンは彼に勝利を捧げること、
そしてUEFA杯圏内を確保することを目指し、強いモチベーションでマンUに挑んだ。
序盤は、みなぎる気合いが背中から立ち上っているかのようなエバートンが押しまくり、
その勢いのままFKから先制。
何の気なしに観始めた私だったが、この頃にはスタジアムの雰囲気と
エバートンの選手たちの決意あふれるプレーに圧倒され、点が決まった時にはガッツポーズをしていた。
しかし、マンUも先制されても慌てることなく落ち着いたプレーを見せ、
丁寧にパスをつないでエバートンの勢いを削ぎ、徐々に盛り返し始める。
後半開始早々の出合い頭のような失点で2点のリードを許す状況下でもそれは変わらず、
やがて試合は完全なマンUペースに。
そして、終わってみればマンUが2点のビハインドを跳ね返して4-2の勝利を収めた。
エバートンの4失点のうち2点がミスから、1点がオウンゴールだったが、
残念ながら試合全体の内容からは妥当な結果だったと思う。
それにしても、試合終了直前で決勝点を決めたUCLミラン戦といい、
このエバートン戦といい、マンUのメンタルの強さには驚く
(さらに、1点リードの場面でプレミア初出場の選手を投入するファーガソン采配にも、
その新人が4点目を決めてしまうことにも驚く)。
モチベーション最高潮の相手に2点を先行されながら、
落ち着いて自分達のサッカーをすることで試合の流れを引き寄せ、勝利を掴むその姿には、
自らのプレーとサッカーに対する絶対的な自信に加え、既にして王者の風格が漂う。
確かに、今シーズンはマンチェスターUのシーズンになるのかも知れない、
そう思わされる試合だった。