新潟 [ 女子サッカー ]
8/6(土)は翌日の岐阜でのアウェイに行けないので、代わりというわけではないが
新潟でJ1の前座試合となったなでしこリーグ第2節 新潟L対I神戸と、
J1第20節 新潟対清水を観戦してきた。
なでしこの試合は、もともと観客動員の多い新潟のホームゲームということもあり、
炎天下の中、入場を待つ長蛇の列が凄かった。
私は”バック指定2層目前ブロックアウェー寄り”の席だったのでEゲートの列に並んでいたのだが、
列があまりにも長くて最後尾の場所がわからない人が続出、
一切グッズを身に着けていない私も、何の列に並んでいるのか聞かれたほどだった。
私は試合開始前30分くらいから列に並び始めたのだが、入場まで20分以上かかっただろうか。
席に着いたら選手入場の直前だった。
そして暑い。もう殺人的な直射日光の暑さ。
バックスタンドのチケットを買ったことを死ぬほど後悔した。
実際耐え切れなくなって、試合中何度かコンコースに涼みに行ったり、顔を洗ったりした。
おかげで両チーム合わせて3ゴールのうち、2ゴールを見逃した。
高い代償である。
まあとは言えこの暑さの中でサッカーをする選手ほどではない。
さすがに動きは良くなく、ミスも目立った。
さんざん言われていることだが、真夏の炎天下に試合をしなければならない環境を変えたいね。
そして1時間半のインターバルの後、夜7時からJ1の試合がキックオフ。
最近J1の試合を全くと言っていいほど観ていないのだが、この試合はおもしろかった。
最終的に4-0と新潟が清水を圧倒したのだが、内容通りの結果と言っていいだろう。
ミシェウ+サイドハーフ+サイドバックで数的優位を作ったり、
精度の良いサイドチェンジで好機を作ったり、
あるいはほとんど予備動作無しで裏へのダッシュ、それに合わせてキレのあるスルーパスが出たり、
新潟の攻撃は第三者が観てて楽しい。
対して清水は何をしたいのかよくわからない攻撃。
DFラインは高く保とうと頑張っているのがよくわかるが、
攻撃に全くリズムが出ないうちに新潟に崩された。
3試合連続の0-4での敗戦らしいが、これでは勝てないだろう。
観戦後に、前節終了時点では清水の方が新潟より順位が上だったと知って軽く驚愕したのだが、
新潟はシーズン序盤は出来が悪くて、ここまで立て直してきた、という状況らしい。
私思うに、今の東京では新潟に勝てないんじゃないですか、と思う出来だった。
やるな黒崎。
熱き男 松田直樹 [ その他サッカー ]
松田直樹が死去した。
松田と言えば、今でも覚えている非常に印象的な出来事がある。
Jリーグの入れ替え戦が導入されたあたりを見ていた人なら覚えているであろう、
強烈な出来事である。
Jリーグが出来て7年目に入れ替え制が導入され、
下位の順位が重要な意味を持つようになっていたあるシーズンの後半、
あれは福岡だったろうか、そのあたりのチームと松田が所属する横浜が対戦したときのことである。
横浜が2点くらいのリードを奪って試合の後半も残り少なくなってきた時、
相手が攻めるのをやめ、自陣に引きこもってしまった。
勝利を目指すなら、あるいは引き分けでも勝点の獲得を目指すなら
当然負けている相手チームは攻めに出なければならない場面。
が、そのチームは攻撃に出て得点を奪うことよりも、
その裏を突かれてさらなる失点を重ねることを恐れたのだ。
背景には、残留争いがあった。
そのチームは、勝点の獲得は諦めても、得失点差で優位を維持出来れば
残留を充分狙える位置にいたのだ。
その、負けていながら自陣に引きこもってしまった相手チームを見て、
松田がブチキレた。
かかって来いと。お前らそれでいいのかと。
私は確かSUPER SOCCERでこの試合のダイジェストを観たのだが、
松田は本当にケンカをするような勢いで、顔を真っ赤にして怒り心頭に発していた。
自陣に引きこもった相手チームは、”プロフェッショナルファウル”と同じ意味で
”プロフェッショナル”だと言えるだろう。
相手との力量差を冷静に判断し、攻撃に出た場合に得るものと失うものを天秤にかけて。
だが、松田にはそれが許せなかった。
必死に応援してくれているサポーターの前で、そんな恥ずかしいことが出来るのかと、
”プロ”である前に、サッカー選手じゃないのかと、言いたかったに違いない。
松田は、たぎる情熱が体から溢れ出すような、そんな熱い男だった。
松田がその情熱を燃やし尽くす前に、志半ばにして死んでしまったことが残念でならない。
心より、心よりご冥福をお祈り致します。
ボロ出ないですね [ FC東京 ]
J2第22節 東京対熊本は5-0の大勝。
すげーな。
私の予想を超えて勝ちまくっている。
早晩ボロが出るんじゃないかと思っていたけど、全然出ないで
むしろ引き分けを挟んで6連勝とは恐れ入る。
点が取れない病だった頃と、本質的には変わっていないのに。
今節のマッチデープログラムで大熊監督が
「最終ラインの背後や、クサビのパスも、スムーズに出せていた」
と前節を振り返っていたけど、今節も含めてそんなに効果的な縦パスが入っていたかな?
どうも私の目にはそうは見えない。
大体、羽生はスペースで受けるのが得意な選手で、セザーもサイドに流れることが多い。
元より単純な裏へのボールはチャンスに結び付かないし、
クサビは受け手の選手がそもそもいない。
その意味で、ルーカスの獲得は良い選択だったと言える。
攻撃の幅が広がるし、相手DFからすればタイプの違うFWが出てくると対応に苦慮するだろう。
今のFC東京のサッカーなんて、押さえ込もうと思ったら割と簡単だと思うんだけどね。
今まで押さえ込まれてきた実績があるんだし。
DFラインとボランチのパス交換を寸断してカウンターを撃つ。
サイドで数的優位を保ってクロスを入れさせない、
あるいは中を固めて単純なクロスを入れさせる。
それらが出来ないチームのレベルがやっぱりJ2なんだろう。
戦術家佐々木監督 [ 女子サッカー ]
女子ワールドカップドイツ2011決勝 日本はアメリカに2-2(PK3-1)で勝利し、初優勝を遂げた。
日本サッカー史上に永遠に刻まれる快挙。
パスで崩すなでしこスタイルはそんなに出せていなかった。
が、驚いたのは、2度のリードを許す展開で、しかもそれぞれ残り21分、残り16分という
充分な時間のない時間帯での失点にも関わらず、やや前に急いでいる印象はあったものの
全員が冷静にプレーし、得点を奪って同点に追いついた精神力だ。
最大の課題であったフィジカルを前面に押し出してくる相手になでしこスタイルを貫いたことといい、
ワールドカップ決勝の舞台でのこの落ち着きぶりといい、
何がここまでなでしこジャパンを変えたのだろうか。
もちろん個々の力量が上がったこともあるだろうが、選手の配置に監督の意図が見えると私は思う。
ボールをつなぐには、パスの精度はもちろんだが、
相手のプレッシャーをかわすボールテクニックが必要になってくる。
サイドバックの近賀、鮫島、ボランチの阪口、澤と
センターバックを除く守備的なポジションの選手は全て、元々は攻撃的な選手であり、
ボールテクニックに優れた選手だ。
彼女達を配置することで、ボール保持力を上げようという狙いだ。
当然考えられるリスクが、守備力の低下である。
それを回避するための第一が、前線からの積極的な守備。
今大会のなでしこジャパンは、これまでよりもさらに前線から激しくプレッシングするチームだった。
当然フォワードには、それが出来る選手を選ぶわけだ。
そして第二に、澤のボール奪取力を生かす真ん中に追い込む守備。
セオリーを覆してサイドではなく真ん中に追い込んでボランチの位置でボールを奪うことにより、
攻撃開始点をひとつ上げるという効果と、
日本にとっては不利なヘディングの競り合い勝負に持ち込まれないよう、
可能な限りサイドからのクロスを回避する効果。
この2点を狙った逆転の発想である。
佐々木監督という人は、インタビューを見る限り人の良いおっちゃんというイメージだが、
なかなかどうして、アメリカのワンバク対策にも見られるように、かなりの戦術家である。
選手が頑張れたのには、選手間の信頼関係はもちろんだが、
監督との間にも相当の信頼関係があっただろうと想像される。
やはり世界一になるようなチームは、いろいろなものを持っているんだなあと思うのである。
なにはともあれ、おめでとう!なでしこジャパン!!
歴史的一戦 [ 女子サッカー ]
女子ワールドカップドイツ2011、準決勝日本対スウェーデンは3-1で勝利。
いろんな意味で歴史的一戦だった。
なでしこジャパンはもともと、パスを主体とするサッカーだったが、
上田監督時代の後期からさらにその特徴を推し進め、
大橋監督就任以降、内容の質の高さでは世界最高峰と言っても過言ではないレベルにまで到達した。
しかし、ドイツやアメリカを代表とする(今回当たったスウェーデンもそうだが)
高さと強さで押してくる相手を大変な苦手としていて、
プレッシャーをかけられるとただボールを大きく蹴るしかなくなり、
自分たちのサッカーができなくることが最大の課題だった。
自分たちの力を発揮出来さえすれば世界の強豪と互角に戦えるのに、
ともすればアジアの相手にもそれが出来ない姿に、私は何度も悔しい思いをした。
観てるだけの私でさえ忸怩たる思いだったのに、
実際のピッチに立っている彼女たちの気持ちはいかばかりだったろうか。
その意味で、準々決勝ドイツ戦の勝利は、
私にはアテネ五輪アジア地区最終予選の北朝鮮戦の勝利を思い起こさせるものだった。
それまで9戦して1勝1分け7敗だった相手に3-0で完勝したあの試合。
国立競技場に3万人の観衆を集めたあの試合は、
私の生涯観戦試合の中で1、2を争う印象的な試合になった。
今でも鮮明に思い出す。
出場権を得られなければ、シドニー五輪以降のような低迷期に陥ってしまうという危機感に覆われた国立競技場。
一度しか勝ったことのない、当時アジア最強クラスと言われていた北朝鮮戦に臨む前の緊張感に包まれた国立競技場。
客観的に見れば敗色濃厚、でもやるしかない、勝つしかないんだという悲壮なほどの決意に満ちた国立競技場。
あの北朝鮮戦の勝利の瞬間は、まさに日本女子サッカー史の歴史的一瞬だった。
準々決勝ドイツ戦も、悲願のメダルを目前に立ちふさがるドイツ、
これまで相手からのプレッシャーに負けて何度も敗れてきた
超えるべき壁であるドイツを相手に、勝たなければならない試合だった。
北朝鮮戦のように崖っぷちというわけではないが、
しかし、この壁を越えられなければ日本女子サッカーに未来なはいという決意の込められた試合。
間違いなくドイツ戦の見事な勝利も日本女子サッカー史の歴史的一瞬だった。
そして準決勝スウェーデン戦。
スウェーデンも北欧だけに体格の面で大きな差があり、ドイツ、アメリカと同じ系譜に並ぶ国である。
序盤はスウェーデンによる前線からのプレッシャーに押されて結構危なかったし実際失点もした。
なでしこのもうひとつの弱点として、先制を許してしまうと、
前へ急ぎ過ぎてロングボールが多くなり、自分たちのサッカーを見失うという点もあった。
が、この試合ではあわてず騒がず、見事な崩しから同点に追い付き、相手を圧倒しての逆転劇。
メンタルの弱かったなでしこジャパンが、勝者のメンタリティを見せ付けた一戦になった。
スウェーデン戦の勝利は、日本サッカー史上初のワールドカップ決勝進出、
3位以内の確定という歴史的意味を持った勝利だったが、
私にはドイツ戦に引き続き、これまで長い間苦杯をなめてきた弱点を克服した試合として
それと同等、あるいはそれ以上に、非常に、非常に感慨深い。
現状維持 [ FC東京 ]
J2第20節 東京対大分は0-0の引き分け。
TV観戦。
平日開催だった第2節対岡山於kankoスタジアム、
諸事情により行けなかった第19節対鳥取於味の素スタジアムと、TV観戦続き。
どうやら選手も自信持ってやっているようだけど、
私はどうしても、本当にこのままでいいのかなあと思ってしまう。
今のサッカーは東京のストロングポイントを生かしたサッカーにはなっているのだろうけど、
それが実効的かと言うと、そうでもない。
パスで崩して決定機を作ったシーンなんて、1試合に何回ある?
今やってるパス、つなぎの効果は相手の守備ブロックを押し下げているだけだ。
最近はセットプレイからの得点が多くて、それはそれで非常に結構なことだけど、
目指している方向とは違う方から良い結果が出てきちゃったみたいなことでしょ。
サッカーは精度の悪いスポーツなので、多かれ少なかれそういう面はあるにせよ、
得点の確率を上げるために、みんな色々と頭を悩ませるわけであって。
差し当たり結果が出ているからと、とりあえず現状維持で突き進むってのは
私からすると思考停止にしか見えない。
少なくともプロがそんなんじゃダメでしょ。
ところでノースさんが緊急帰国してしまった。
FW PJ:OUT、セザー:OK、ルーカス:OK
MF ホベルト:OUT
DF ノース:OUT
昔は外国人選手が結構長く在籍することが多かったんだけどなあ。
ナオゴール最高 [ FC東京 ]
J2第18節 東京対水戸は3-2で勝利。
もうこのまま行くんでしょうね。
私の考えも変わらず、繰り返しになるので割愛します。
この日、私は友人二人と午前中早めに東京を発って、お昼に大洗港で海鮮丼を食し、
大洗磯前神社にお参りした後、ケーズデンキスタジアム入りした。
道中、そこかしこに震災の爪痕と思われる様子を目にする。
今回水戸に駆けつけた人の中には、新潟の震災後の試合のことを
思い起こした人も多かったのではないだろうか。
石川のゴールは素晴らしく気持ち良かった。
私は京都戦を観ていないので、久しぶりに相手を崩してゲットしたゴールを観た気がする。
結果的にセザーがおとりになり、その脇から石川が飛び出して来る格好になった。
セザーは蹴りたかったPKもベンチからの指示で蹴れず、
このシーンでも梶山からのボールをもらう気満々だったのでやや可哀相ではあった。
森重のFKのシーンでは、私は完全に北斗にだまされた。
「北斗だな」と友人に言ったのに、外れたので立場がない。
いつぞやの日本代表における中田英のアクションを思い出した。
相手に与えたPKは、はっきり言って誤審だろう。
タックルが足に入ったのではあり得ない、進行方向とほぼ逆にボールが転がっているので
ファウルであるわけがないと思っていた。
だから「結局1点差じゃねーか」とは言わない。
ただ3点取ったと言っても、内2点はFK直接ゴールとPKであることは
心に留めておかなくてはならないだろう。
どちらもそれをあてには出来ないという意味で。
連勝ですけどね [ FC東京 ]
J2第17節 東京対徳島は1-0で勝利。
一昨シーズン以来の連勝。
今のサッカーは、パスをつなぐサッカーと言うよりは、
個人のボールテクニックで局面をどうにかこうにか打破していくサッカーだと思う。
なぜなら足元へのパスがほとんどだから。
今の東京はスペースへのパスがないに等しい。
パスを受けた時には周りに相手DFがいる状態である。
まあこれは個人的な考えも含まれる定義ではあるけれど
バルセロナやアーセナルみたいに、
スペースへのパスを有効に使えるようになってこそ、パスサッカーだと思う。
別に上記のクラブのようなサッカーをしろと言ってるんではなくて
(Jにも東京よりスペースへのパスを有効に使っているチームはたくさんあるし)
そういうパスを使えるようにならないと早晩行き詰ると思うからだ。
今の東京の選手のボールテクニックは確かにうまい。
実際J2のそれなりのチームには通用している。
けれども、もっとガツガツプレッシングに来られたり、
取りどころを定めて組織的な守備をされたりすると
通用しなくなるレベルだとも私は思う。
11試合終わって複数得点したのは1試合だけ。
それは決めろよ的な決定的チャンスも少ない。
今のレベルではそういう結果だということだ。
この試合のゴール、決めた梶山はもちろんだが、
よく周りを見て的確に落したセザーはさすがだった。
以前書いたことの繰り返しになるが、簡単に倒れないようにすることと
単騎突破だけでなく、もっと周りと連携して突破することが出来れば。
それから、この記事を読んで塩田ももう30かとあらためて思った。
月日の流れるのは早い。