忍者ブログ[PR]
蹴唯雑音 忍者ブログ

[PR] [ ]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

瞳 [ その他サッカー ]

スポニチワールドサッカープラスの中尾裕子という記者のコラム
ある少年の半生から見たユーゴスラビアサッカーの崩壊

記者のルームシェアメイトだったマルコというセルビア人の半生を通して
ユーゴスラビアの実状を伝えるコラムだが、
私たちが知らない驚くようなユーゴスラビアの姿が見える。

 国内の試合開催地に合わせてメンバーを変更する代表監督
 サポーターがアウェーのチームに声援を送る代表戦
 アルバニア人を虐殺するために結成された武装集団へ徴兵されるスポーツ選手

ストイコビッチを思い出す時、Jリーグで見せてくれた数々の名プレーよりも前に
まず私が思い浮かべるのは、あの、悲しそうな瞳である。
どんな時でも奥に悲しみを湛えたあの瞳。
あれは、たくさんの、あまりもたくさんの悲しい出来事を見つめてきた目なのだろう。

Jリーグ在籍時代のストイコビッチがコソボ紛争に介入したNATOによる空爆を批判して
「NATO Stop Strikes」というメッセージを見せるアピールを行ったことがあった。
これに対してJリーグ側は、スポーツに政治を持ち込むなとかなんとか言って
政治的アピールを禁止する通達を出した。
UEFAも、政治とスポーツを混同するな、という声明を出した。

でも、考えてみてくれよ。
そもそもユーゴスラビア紛争に対する制裁として
ユーロ1992への出場権を剥奪したのはFIFAとUEFAである。
これが政治によるスポーツへの介入でないとでも言うのか。
スポーツに政治を持ち込んでんのはてめーらだろうが。

ストイコビッチの抱える悲しみを、私には想像することしか出来ない。
でもだからこそ願う。ストイコビッチに少しでも幸あれと。
もちろん、オシムにも。

PR

兄貴 [ その他サッカー ]

最近ウィリアム・ギャラスがカッコ良過ぎである。

Week12のマンチェスターU戦での終了間際の同点ゴール、
昨日行われたWeek14、ウィガン戦での先制ゴールに象徴される
ギャラスの勝利へのレベルを超えた執着心は、サポーターにとってはたまらないだろう。

マンチェスターU戦での同点ゴールを決め、ひとしきり歓喜に沸いた後の表情は、
完全に人間ではない、猛獣のそれだった。

ウィガン戦でも、するすると上がって中盤の上がり目でボールを受け、
そのボールをベントナーに預けた後、サニャのクロスへニアに飛び込んだあの迫力。

放送の中でも言っていたが、チームメイト(確かクリシ)がそのキャプテンシーを指して
「昔のヴィエラのようだ」
というのもわかる。

若いチームの中にあって、今のギャラスは本当に頼れる兄貴だ。
東京も若いけど、来シーズンのチームを引っ張ってくれる存在は誰になるのかね。

期待外れ [ その他サッカー ]

BS朝日にてACL決勝 セパハン対浦和を観戦。
結果は1-1で浦和がアウェイを乗り切った形になったが、いやーつまらん試合だった。

私は特に浦和に勝って欲しいとか負けて欲しいとかの思い入れはなく、
単純にACL決勝という大舞台でおもしろい試合が観られたらいいなというそれだけ
(そのチームのサッカーの内容によっては応援したくなるチームもいるが、
浦和は応援したくなるようなチームではない)。
その期待を大きく裏切る凡戦だった。

浦和のあの疲労困ぱいぶりは何なんだと思うくらい。
イランまでの移動は大変だとは言え、気温17度、湿度15%と気候はさほどハンディではない。

10/3にアウェイで城南戦を戦った後、今日まで1ヶ月ちょいの間に4試合。
およそ6日に1試合の計算。

その間の開催地には恵まれていて、城南の後、駒場、フクアリ、埼スタ、埼スタ、そしてイラン。
国内の移動距離的には優遇されている
(ちなみにこの後も、試合数は立て込んでいるが移動距離は少ない
等々力、埼スタ、埼スタ、埼スタ、駒場、日スタ)。

日曜に開催された天皇杯4回戦は浦和の場合28日に延期されているので、
前の週のJリーグから数えると中9日空いている。
悪くない日程だと思うが。

もう少しさかのぼって9月後半の日程はすごいね。
シーズン終盤だし致し方ないのだろうか。
いずれにしろ第2戦もいい試合は期待できなさそうだ。


余談だが、セパハンのスタジアムは意外とこじんまりしていて拍子抜けした
(5万人収容だそうだが本当か)。
98-99シーズンのアジアクラブ選手権決勝 エステグラル対磐田於アザディスタジアムの
10万のアウェイ(こぶし大の石が飛んで来る!)並みを期待していたので、こちらも期待外れだった。

鏡 [ その他サッカー ]

サポティスタで再三に渡って紹介されているperfumeというテクノポップグループがいる。
サッカーとは全く無縁にも関わらず、あまりにも何度も登場するので一体どんなもんかいねと思い、
この間ついに聴いてみた。

なるほど、確かにいい。
ただ、サポティスタからリンクを張られたperfumeについて語られる言説の多くが
アイドルとかアーティストとか、そんなカテゴライズとは無縁な越境者なのだ、
ということを力説していて、それがとても奇異に思えた。

元来アイドルなどという存在に疎いおじさん(私のことだ)にしてみれば、
perfumeがアイドルかどうかとは全く関係なく、
優れた音楽発信源のひとつであるという以上の何者でもない。
仮にアイドルとアーティストとの越境者だったとして、
異なるジャンルの越境者など歴史を見渡せばたくさんいるし。

それなのに、perfumeがここまでやって来れて、売れ始めたことを
奇跡とまで言う人もいる。あり得ないとか。
何故そこまで、と思うくらいのすごい言われようだが、
どうやらアイドル性と音楽性の高さとが両立しないというアイドル/音楽業界の事情があるらしい。
Hang Reviewers Highから引用の引用になるが、

大半の女性アイドル歌手には、「どうせ誰も本気で歌なんか聴きゃしないんだから、この程度で十分でしょ」と言わんばかりの、やっつけ丸出しの曲しか与えられないのが、今も常識です。そして、これはさらに情けない話、実際のところ曲の良し悪しよりも、「握手会参加券封入」とかの方が、遙かに売り上げに結果を残すことが多いのも事実
ということなのだ。

商業主義。
作品としての中身を度外視して表層的なものの価値のみで売ろうとする、私が最も忌み嫌っていることだ
(どこに価値を見出すかは人によるので、これはあくまで私個人の考え方である。
ただし、作り手が商業主義に陥っていて、そして受け取り手がそれを甘受していると、
遠からずその分野はスポイルされる。
たいていはそれで完全に廃れてしまうということはなく、反動としての再生が始まるが)。

ここまで考えを進めて来てふと気付いた。
ことあるごとに”内容至上主義”(注)などという言葉を使って声高にサッカーの内容の重要性を叫び、
プロフィールにもその旨を宣言している自分に。
サッカーにおいて勝ちさえすればいい勝利至上主義がまかり通っている現状を憂いている自分に。

そう、何のことはない。
私は、アイドルの(”内容”としての)音楽性が軽視されているアイドル/音楽業界を憂いている
(そしてついにそれを両立させるグループperfumeが登場して狂喜する)
ファンと同じ穴の狢だったのだ。

ともすればプロであるということを免罪符に
内容を追求することが軽視されがちなプロサッカー界を憂える私は
鏡に映る自分の所作を見て、あいつ何やってんだろう?と不思議がっていただけだったのだ。

音楽をやる以上、その内容(音楽性)で評価されるべきなのは当然である。
それは、文学だろうと映画だろうと絵画だろうとゲームだろうと何だろうと同じだ。
そしてまた、プロサッカーでも同じである。

誤解のないよう念のため書き添えておくが、プロである以上勝利を目指すのは当然である。
ミュージシャンで言えば、売れるために努力するのは当たり前である。
そうしたことを前提として当然踏まえていない限りプロとして成立しない。

だから、プロは勝ってナンボなどと低次元なことを言われても困惑するばかりだ。
そんなことは前提として消化しておくべきことだからだ。
前提条件を俎上に上げられたってどうしようもない。

議論すべきなのは、プロとして目指すべきなのは、その上のレベルである。
上のレベルを目指さない分野は必ずジリ貧になる。
サッカーファンが増え、競技人口が増え、土台が大きくなることでピラミッドの頂点が高くなる
そうした発展をしていくためには、勝ちさえすればいいなどといった貧困な発想で果たして可能か。
不可能である。

だから私はまたしても声高に叫ぶ。
たまに出現する"Perfume"に狂喜する貧困な状況を脱するために。


(注)
ここで言う”内容”とは(既に当ブログでは何度か書いているが)
選手の頑張りと、サッカーの質の高さを指す。
選手の頑張りというのはやや抽象的だが、勝利を目指して必死になる姿や、
質の高いサッカーを目指して奮闘する姿勢を言っている。
強い意志の元に行われる不断の努力はそれだけで感動を呼ぶ。
だから広義の”内容”に含めている。

運営力 [ その他サッカー ]

富士スピードウェイで行われたF1日本グランプリが大変な修羅場になっていたようだ。
今回の惨状には遠く及ばないが、かなり規模を縮小したやつを私も体験したことがある。
2001年8月15日に行われたAFC/OFCチャレンジカップ2001
日本代表対オーストラリア代表於静岡スタジアムエコパである。

翌年に日韓ワールドカップを控えて、グループリーグと準々決勝合わせて3試合が予定されていたエコパでの
代表戦のシミュレーションとなった試合でもあったが、
46,404人を集めたこの試合の帰りは、徒歩20分弱の道のりに2時間を要し、
帰りのアクセスのあまりの悪さに、気の短い外国人がブチ切れるのではないかと多大な不安を残した。

だいたい以下のような感じである。

 18:30 キックオフ
 20:30 試合終了。スタジアムを出て徒歩で最寄りの愛野駅へ
 22:30 愛野駅着。臨時列車で友人宅のある三島へ向かう
 00:30 沼津駅止まりのため沼津で下車。もう電車がなくタクシーを拾う
 01:00 友人宅着

徒歩20分のところに2時間もかかったのは、東海道本線の本数が少なく、
輸送力が不足していたために、駅への入場制限がされていたせいだった。
最寄り駅までの路上では、一向に進まない行列に苛立った観客が誘導の係員に罵声を浴びせて
それに腹を立てた係員が逆ギレする一幕も。

最初は単に行列が進まないことに対する腹立たしさだけだったのが、
時間が経つにつれて段々と、果たして家に帰り着けるのだろうかという恐怖に変わって行く。
目前に皓々と照らされる駅が見えるのに入れないというもどかしさが拍車をかけた。

私はあらかじめ静岡県内の三島にある友人宅に泊まる予定だったからまだよかったものの、
東京辺りに帰るつもりだった人は無事辿り着いたのだろうか
(21時過ぎに愛野を出ても新幹線を使えば普通に東京に帰れるので無謀な予定ではない)。

5月に行われたこけら落としの静岡ダービーではこの試合を上回る52,959人を集めていたが
大変なことになったというニュースはなかった。
近在のサポーターが大多数を占めていたために、最寄り駅への集中が避けられたのではないだろうか。

自国開催のワールドカップ前年の代表戦だけに、首都圏や関西から駆け付けるサポーターが多く、
東海道本線の利用に集中したのではないかと推測される。
夜の試合だったために終電までさほど間がなかったことがさらに助長させた上、
シャトルバスも積極的なアナウンスはされていなかった。

主催者は常に満員のスタジアムを目指す。
だがやっと訪れたその時は、主催者の運営力が試される時でもある。

予想は覆る [ その他サッカー ]

イングランドプレミアリーグは一部を除き第7節が終了。
大方の予想を覆し、新生アーセナルが1試合少ない状況にも関わらず単独首位に立っている。
アンリが抜け、最大の得点源を失ったにも関わらず相変わらず大型補強に踏み切らなかったアーセナルが
この開幕ダッシュを見せるとは誰が予想しただろうか。

最大のポイントは得点力をアデバヨルとそしてセスクがカバーしたことだ。
アデバヨルはなんと4試合で6得点。
セスクは6試合で4得点。
セスクのシーズン最多得点は確か3点だが、6試合消化時点で既にそれを超えた。

いつも通り、こだわり抜いたパスサッカーは健在。
加えて、セスクを筆頭としてフレブも、
以前からミドルシュートに多大な自信を持つロシツキーも、フラミニも
MF陣が積極的にシュートを狙う。
前節ダービー戦ではディアビの強烈ミドルが口火を切った。

以前はペナルティエリアはおろか、ゴールエリア内でもショートパスをつなぐくらい
崩しきった状態でしかシュートが来なかったが、
今シーズンはバイタルエリアからミドルシュートがどんどん飛んで来る。

そのミドルシュートにしても、撃っとけ的な甘っちょろいものではなく、正確に枠へ強シュートだ。
そしてミドルシュートを警戒して前に詰めると、その裏のスペースを狙ってスルーパスを通されるという、
何ともやっかいなチームになってしまった。

アンリが抜けたことでひとりひとりの得点への自覚が促され、それが好結果をもたらすという
非常にわかりやすい展開だが、シーズン前は予想だにしなかったことである。
何しろ簡単に言うと「アンリが抜けて得点力がアップ」する逆説的な現象なのだ。
元々持っているポテンシャルが高く、それが表面化した、というあまりおもしろくない結論になってしまうが、
そうとしか考えられない。

しかも10月下旬のリバプール戦まで強豪とは当たらない。
苦手なボルトンとは10月20日に当たるが。
少なくともその頃まではアーセナルが首位を突っ走りそうな勢いである。

鞍替え [ その他サッカー ]

スカパーの新サッカーセットの宣伝が来た。
サッカーセットから脱退したからだ。

昨シーズンまではスカパーサッカーセレクション+チャンピオンズリーグセットで
主にプレミアリーグとチャンピオンズリーグ、たまにセリエを観ていた。
本当はセリエよりリーガエスパニョーラが観たいのだが、
さすがにリーガのためだけにWOWOWに入るのはもったいない。

今回サッカーセットがまた刷新されて、WOWOWを含めたセットが出来た。
プラス1600円は安くなっていはいるが、でもやっぱり高い。

もうひとつ大きな変化が、プレミアの放送権をJ SPORTSが獲得したことだ。
ということはサッカーセットを契約しなくても、
J SPORTSを契約すれば最大の目的であるプレミアは観れてしまう。
その上、プレミアのクラブを中心にチャンピオンズリーグも一部OKだし、Jも録画で観られる。
Jはどうせ2/3くらいはスタジアムに行っているから録画で観られれば十分なわけである。

心残りはリーガだが、まぁ仕方ない。
WOWOWからどこかよそへ移るのを待つしかない。
NHK BSでリーガの中継をやっていた頃が懐かしい。

というわけでスカパーサッカーセレクション+チャンピオンズリーグセット3600円をやめて、
J SPORTSの1,2&Plusで2100円にした。
残る心配はチャンピオンズリーグが決勝トーナメントに進んだ時に、J SPORTSの放送枠がどうなるか。

孤高のアーセナル [ その他サッカー ]

U22 4カ国トーナメントの日本対中国は録画をし損なって観れず。
聞くところによると、日本人からすれば胸糞の悪くなるような試合だったらしいので
観られなくてよかったのかも知れない。
代わりと言っては何だが、録画しといたエミレーツカップ アーセナル対インテルの試合を観戦。

この試合のアーセナルは第1戦目の手探り状態から大きく脱して、流麗なパス回しを見せた。
トップ下に入ったフレブが色んなところへ顔を出してボールを動かし、
あるいはドリブル突破を仕掛け、潤滑油のような働きをしていた。
これは使える。

先日の記事で書いたベスト布陣、
「右からフレブ、セスク、ジウベウト、ロシツキー、2トップにファン ペルシーとアデバヨール」
は早くも撤回しよう。

右にエブエか誰か置いて、セスク、ジウベウト、ロシツキー、
トップ下にフレブ、1トップファン ペルシー。
これだ。

失礼ながら、フレブの同点ゴールの時のジュリオ セザールの悔しがりように笑ってしまった。
そして最後には、ボールホルダーの後ろを大きくウェーブしてオーバーラップする動きが
光ったファン ペルシーの逆転ゴールが決まり、
ファンとしては今シーズンに期待を抱かせる大満足の試合になった。

プレミアの他のクラブは大型補強に忙しいが、我が道を行く孤高のクラブアーセナルが
優勝を勝ち取るのも、あながち否定出来ないかも知れない。



前のページ | MAIN | 次のページ