ブブゼラとアグエロとスナイデルとプロアクティブ [ その他サッカー ]
W杯南アフリカ2010 グループB第2戦アルゼンチン対韓国4-1。
韓国の虎の子の1点 メッシが「ブブゼラの騒音のせい」とケチ
あの音ってアフリカ(少なくとも南ア)の人が聞いたら応援になるのかね。
私の第一印象は、「見ろ、応援がハエの羽音のようだ」である。
今ではさすがに慣れてしまったが、文化の違いというものはおそろしいものだ。
それにしてもアルゼンチンの4点目、アグエロのアシストはすごかった。
ショートバウンドをダイレクトに右足アウトサイドで浮かせてイグアインの頭に合わせるって。
状況判断と技術が最高レベルにシンクロしてる。
オランダ代表スナイデルのW杯中間評価 「CLの方がはるかにレベル高い」
当たり前でしょ。今更何言ってんのあんた。
大丈夫かスナイデル。
プレーから窺える様子だと割とクレバーなイメージがあるが、
意外とそうでもないのだろうか。
大会期間中にその大会を評してリップサービス的に当たり障りのないことを言うのはよくあることだが、
マイナスイメージになるようなことを言うのは珍しい。
しかもそれが「CLの方がはるかにレベル高い」ってマジすげーよあんた。
スポニチのWorld Soccer Plusのコラム陣が日本の守備的戦術を嘆いている
(ただしメインの4人のうち西部謙司と戸塚啓は大会開幕以降更新をしていない)。
[二宮清純]覚悟の「現実対応型」で結果出した岡田ジャパン
[金子達仁]苦く悲しい「つなぎ」なき勝利
[山内雄司]この勝利を手放しで喜んでいいのか
私も彼らと同感である。
金子はかなり過激な言い方をしているが、大筋では同意だ。
まさか金子と意見が合うなんてね。
二宮清純の言葉を借りれば、私も日本代表にはプロアクティブ型のサッカーをして欲しいと思っている。
まあ当ブログによく来られる方であればもう耳にタコほど読まれていることだろう。
代表というのはその国のサッカーの頂点であり、
その国のサッカー観、もっと言えば美学を映すものであると思う。
国外に対しても、国内に対しても、その国におけるサッカーとはこういうものだと示すような。
イタリアみたいに1-0で勝つことが美学であるような国なら別に構わない。
が、日本はそうではないだろう。
そういう国で短期視点的な、視野狭窄的な1勝を取って行ったところで、
長期的には人気が落ち、スポーツとして衰退していく。
そんなの杞憂だよと大多数の人が言うのならばいいけどね。
いや、やっぱり私は嫌だな(笑
求む、スペイン怒涛の2連勝 [ その他サッカー ]
W杯南アフリカ2010 グループH第1戦スペイン対スイス0-1。
スペインのパスワークはさすがだった。
的確なポジショニング、多少のプレッシャーはものともしないボールテクニック、
正確なパス、トラップ。
攻撃的だったかという観点で言えば、攻撃的だったと思う。
まず攻撃にかける人数が違う。CBとアンカー1人以外は全員攻撃。
リスクを負って初めて攻撃的だと言えると思うので、この条件は外せない。
そして主導権を握ること、ボールを支配することも出来ていた。
リアクションサッカーでは攻撃的とは言えないという理由からである
(これら攻撃的であることの条件については以前書いた)。
ただ、オシムも言っていた通り、もう少しスピードを上げると良かった。
相手が待ち構えているところへ攻撃を仕掛けるのは
いくらテクニックやグループ戦術に優れていても限界がある。
スイスのように体格も屈強で守備戦術に長けている国なら尚更。
ただ、スピードを生かせる状況でもっとアグレッシブに行くには
先は長過ぎたし、コンディションもそこまで上がってなかったのかも知れない。
交代で出てきたフェルナンド・トーレスは明らかに動きにキレがなかったし、
オシムはイニエスタのコンディションが良くなかったと言っていた(確か)。
ついでにフェルナンド・トーレスと同時に交代出場したナバスに言及すると、ひどかったと思う。
私はリーガを観られる環境にないので普段の彼のプレーぶりを知らないのだが、
まず第1にDFを抜けない。果敢にドリブルを仕掛けてはいたが、
如何せんかわせないので半抜き状態でクロスを上げるしかない。
セルヒオ・ラモスの負傷で彼のサポートが受けられなかったのは確かに痛いが、
それにしてもという感じだ。
また半抜き状態だろうが何だろうが、クロスの精度さえ良ければ何の問題もないが、
結構な人数ゴール前に詰めているにも関わらず全く合わないボールばかり。
はっきり言ってクロスが下手にしか見えない。
しかもそのナバスに右CKを蹴らせるスペインて。
プレイスキック得意な人ほかにいくらもいるでしょ。どういうことよ。
まあそんなこんなでスペインは負けてしまった。
友人と予想をして(ベタだが)優勝候補筆頭に上げていたのでこれはヤバいですな。
ちなみにこの予想にお金はかかっていない、たぶん。
攻撃的にいこう [ その他サッカー ]
今日でグループリーグ第1戦が一回りする。
これまで10試合程度観てきたけど、W杯初戦ということを割り引いても
低調な試合が多かったという印象だ。
みんな失点を怖がって慎重な、慎重過ぎる試合運びが多い。
チリは結構攻撃的だったけど、これから始まるスペインはどうかな。
本来攻撃的なスペインではあるけれど、やはり初戦ということで慎重に入るかも知れない。
チリはビエルサというちょっと変わった人が監督だから、
そのせいでほかと違っていた可能性もあながち否定できないし。
第2戦以降は積極的な、攻撃的な試合が増えることを期待したい。
間に合った方向転換 [ 日本代表 ]
W杯南アフリカ2010 グループリーグ第1戦日本対カメルーンは1-0の勝利。
よく頑張った。
後半半ば以降、防戦一方になってからの頑張りにはちょっと胸を打たれた。
チーム一丸となってもぎ取った勝利だったと思う。
しかし、結果とそれに対するひたむきなプレーは充分賞賛に値するが、
(狭義の)内容では観るべきところはなかった。
この試合、日本の勝利の最大の要因は、守備的戦術への移行が功を奏した(間に合った)
ということだろう。
どんなポイントに功を奏したかと言うと
・守備力の強化
・意思が統一されてプレーがはっきりした
この2点かな。
後藤健生のJ Sportsのコラムではもうひとつ、
・サイドバック、ボランチの攻撃参加がしやすくなる
を挙げていて、それは確かにそうだが、
だから攻撃力が上がるわけではないのでここではカウントしない。
もともと4-4-2だったシステムからFWを1つ削って守備専任者にしているのだから、
攻撃の枚数は増えない。
マイナスにはならないという程度のものなので、
あえてポイントとして挙げるべきものでもないだろう。
ところでこの”ボランチ2枚が両方とも攻撃的な4-4-2”は、岡田監督がTVのインタビューに答えて
「世界的にもあまり類を見ない、攻撃的な布陣」とこだわりを持っていたところで、
監督の内面的にも相当大きな舵取りだったと想像される。
話を戻す。
守備はアンカー阿部を配置したシステム変更でかなり安定していた。
またサイドバックも、親善試合の韓国戦から今野を起用し、
攻撃よりも守備に力点を置くようになって、守備の安定に寄与した。
そして実際的な守備力の強化よりも、もっと大きかったのは、
戦い方が整理され、チームとして統一されたことだ。
もう少し言うと、監督が迷いを消してそれまでの
(攻撃的と呼ぶにはイマイチはっきりこうと呼べるものがない)中途半端な戦いぶりから開放され、
全体としてまず守備ありき、攻撃はほぼサイドからのクロスと本田の強さと技術頼み
という形に整理されたことだ。
岡田監督得意の現実路線である。
後半半ば以降の集中した守りも、当初から大枠が決まっていたからこそ
全員がブレずに最後まで粘り強く耐えることができたのだと言える。
(当初から大枠が決まっていたことの証左としては、ボールを奪ったあとのプレーが挙げられる。
試合を通してかなりの場面でボールを大きく蹴るだけのプレーが目立った。
ポゼッション、低い位置からボールを保持して攻撃につなげるプレーは
ある程度放棄していたということだ)
だが、上記のようであれば当然のことながら、
攻撃(狭義の内容)は観るべきところがないということになる。
攻撃のポイントとして取り沙汰されるクロスについても、
クロスはGKとDFの間。早いタイミングでどんどん放り込めという指示があった割には(そこそこいいクロスも上がってはいたが)、
asahi.com「ニッポン進化の予感 堅守と弱点突いた攻撃」
”場所だけアーリー”が多かった。
要は早いタイミングでもなんでもない、DFが待ち構えている状態での
上げる位置だけがアーリー性のクロスが多く、言う程効果的には見えなかったということ。
というわけで、結果は良かったが、(狭義の)内容はダメということになる。
(しつこく”狭義の”と書いているのは、攻撃の質だけが試合の内容ではないから。当然だけど)
しかしまあ、突貫工事的なシステム変更がよく間に合ったものだ。
アンカー阿部の守備力と器用さ、1トップ本田の強さと技術、
という個の能力の高さがなければ実現しない工事である。
開幕前は期待値ゼロだった日本代表だけど、次戦オランダ戦が少しだけ楽しみになってきた。
クロスの入れ方 [ その他サッカー ]
メッシにレーザービームの洗礼
これTVで観てて気付いた。
フリーキックのボールをセットした後、ピッチ上で青色の円がゆらゆらしていて
何だろう、もしや、とは思ったが。
やっちまったな、ナイジェリア。
開催国でなかったのがせめてもの救いか。
サッカーは野球と違って選手が常に動いてるから、やるとしたらセットプレイしかない。
今後もセットプレイ時には注意したい。
そしていよいよせまる日本の初戦。
勝利への秘策はマシンガン・クロス
マシンガンうんぬんは別として、現日本代表のひとつのコンセプト、
”早いタイミングでニアに速いクロスを入れる”は
東京サポ的には徳永が代表戦でやっていたアーリー気味クロスが即座に思い浮かぶと思うが、
この、DFが戻りきる前にDFとGKの間に入れるクロスはカメルーン対策としてではなく、
そして現代表だけでなく、Jリーグ含め日本全体でもっと共有すべきプレーだと思う。
何故か日本では、サイドをえぐってからプルバックでクロスを上げるのが常套
とされてる節があるが、はっきり言ってそれでは、ゴールへの確率を下げるだけだと思う。
プルバック推奨の論拠とされているのが、
「マイナスのボールはDFが守りにくい、何故ならボールと相手FWを
同時に視野に入れるのが難しいから」
というものだが、それならDFが自ゴール方向へ戻る途中に入れられる方が
もっと守りにくいだろう。
戻りきった状態(プルバックの場合)と戻り途中の状態(アーリーの場合)の違いである。
そしてクロスを受ける側も合わせやすい。
立ち止まった状態でクロスが来るよりも、ゴール方向に走ってる状態でクロスが来た方が
決める確率の高いシュートを撃ちやすい。
少なくとも私が自分でプレーする感覚ではそうだ。
サイドからクロスを入れる時にも、受ける側として上記のような感覚を持っているので、
アーリーのタイミングで入れることをまず第1に考える。
日本代表でもJリーグでもどうして、DFが戻りきる前にDFとGKの間に入れるクロスを
もっと多用しないのか、不思議でならない。
その方が可能性が高いのに。
だいたい、えぐった所で一生懸命フェイントでDFひとりかわして入れても、
精度が悪いんだからさ。
ミスの重み [ その他サッカー ]
これは全くの個人的な感想だが、日本のサポーターは、
サッカーにおけるミスに対して厳しい印象がある
(これは他国との比較ではなく、生の反応を知っているのが日本だけだから)。
1つの技術的ミスに過剰に反応し過ぎる。
サッカーというスポーツが、足でボールを扱うという特性を考えれば
もうちょっとミスに対して寛容であってもいいのではないだろうか。
手と比較して何倍も不器用なのだから、
プロだからミスしないというものでもないと私は思っている。
で、この記事である。
1失点で“戦犯”…GK稼業は辛いよ
記事が言いたいことはわかる。
基本的に攻撃陣と守備陣では、得点/失点に対する捉え方が違う。
そして敵の守備網を破って点を獲得する攻撃陣が華々しく見えるのは致し方ない。
しかし今回の場合はGKだ。
手が使えるんである。
ミスが多いスポーツであるのは前述の通り足でボールを扱うからであって、
GKは当然のことながらこれには当てはまらない。
ミスの重みが違う。
グリーンのようなミスは糾弾されるべきだろう。
まあしかしグリーンの明らかなミスは別として、
今大会はボールの特性からGKに不利な大会になるだろうという事前の予想とは裏腹に
意外にもGKのファインセーブが(それから何故かGK正面へのシュートが)目立つ。
だからかどうかわからないが、得点が少ない。
ジャブラニに慣れることによって今後この状況が変わるのか変わらないのか、注目だ。
遅過ぎる決断 [ 日本代表 ]
いよいよワールドカップ南アフリカ2010開幕。
開幕戦の南アフリカの先制点は素晴らしかった。
カウンターだけど、足の速いFWを走らせて後方からロングボール一発の昔風カウンターではなく、
複数の選手が絡んでパスを素早くつなぐ現代風カウンターだった。
そんな試合を観た翌日(6/12)の新聞記事から抜粋
「後方からのビルドアップなんて考えていない」。遅っ!遅過ぎるよ監督!
本田を1トップに据える布陣を試し始めた8日、岡田監督はもらした。
こだわってきた細かいつなぎを半ば放棄。
背景に、W杯対戦国との大きな実力差がある。
今まで気付くタイミングなんていくらでもあったでしょ。
トルシエの時のサンドニショックは2001年3月、日韓ワールドカップの1年ちょい前。
ジーコの時はそんなものはなく(笑)、岡田監督は初戦6日前。
以前から書いてる通り、別に私は日本が勝てなくてもいいと思ってる。
いいサッカーをしさえすれば。
そりゃ勝てるにこしたことはないが、3戦全敗だっていい試合が出来れば
中途半端に現実的な戦い方をして結局敗退するよりは全然まし。
日本より格下の国と対戦した時、安易な守備的サッカーではなく、
いいサッカーをやろうという意思、志の高さを感じて相手に好印象を持つ時がある。
それと同じ事を日本代表にはやって欲しいんだけどな。
ここ最近の日本代表の不甲斐ない戦いぶりを見ていて
監督自身に迷いがあるんじゃないかと思っていたけど、
上記の記事からするとやっぱりそうだったようだ。
元々期待値低いチームだからそういう意味ではだからどうというわけではないけど、
それにしても遅い。
Jリーグでの実績から、現実路線での岡田監督には一定の評価を私自身もしていたし、
一般的にもされていたと思うけど、それを自らが無意味なものにしてしまった。
ベスト4という目標には、前回代表監督だった時の反省があるんだろう。
1勝1敗1分という現実的な目標を掲げたにも関わらず、達成できなかった時の反省が。
でも非常にコンセンサスを得にくい目標だった。
やるからには勝つこと前提で行くのは当然としても、
期待値込みの現実からしてもあまりにも乖離していた。
少し前に友人とも話したけど、今のこの状況からすると、
日本代表にとって南アフリカ大会は、オシムが病気で倒れた時にもう終わってた。
もう何年も前に終わってたんだ。
バカじゃねーの [ Jリーグ ]
東京の京都戦敗北の結果もショックだったが(未見なのでコメントなし)、
このニュースにはそれ以上に驚きと憤りを感じる。
川崎リードも…首位攻防戦は大雨でノーゲームに
私は川崎には何の思い入れもないが、この裁定はひど過ぎる。
後半30分ということは、試合の8割方終わっているわけだ。
となると、下すべき判断は次の2つしかない。
この時点で試合終了とするか、後日後半30分から再開とするか、である。
それをノーゲームとは。
本当にバカかと。
だからJリーグは審判力がないって言われるんだよ。
追記
Jリーグの規定で0-0からの再試合となっているらしいけど、それは規定がダサい。
何でそんな0か全てかみたいな規定作るかね。頭悪そー。