ビエルサの思い出と期待 [ その他サッカー ]
グループリーグ突破も笑わなかったビエルサ
ビエルサも今年で55才か。
2002年当時持っていたやんちゃ坊主がそのまま大人になったような雰囲気はやや薄らいでいるな。
さすがに寄る年波には勝てん、といったところか。
この人変人て言われてるけど、個人的には結構好きな監督。
攻撃的なサッカー思想と、3-4-3とも3-3-1-3とも言われるシステムを貫く姿勢が。
あまり代表監督としては実績を残していない監督だけど、
アテネオリンピックのアルゼンチン代表を率いた時は凄かった。
準々決勝までの4試合で13得点と攻撃が爆発し、
イタリア相手の準決勝でも3-0と粉砕、決勝でパラグアイに1-0で勝って優勝した。
なんと6試合で17得点、しかも大会を通して無失点である。
にも関わらず、大会直後に辞任。
アルゼンチンでは彼のサッカーは受け入れられなかったらしく、評判が悪かったそうだ
(とは言え6年間在任しているので、協会のフォローはあったということだろうか)。
今大会前に日本代表監督後任候補の報道にビエルサの名前があったのには、ちょっと嬉しかった
(ただ、チリ代表での成功で相場は上がってしまうだろう)。
ペケルマンももちろん良い。ただリバプールで消極的サッカーしかやってなかったベニテスは勘弁。
予想とは、裏切られるもの [ 日本代表 ]
デンマーク戦について。
立ち上がり、日本はデンマークにパスで崩されてサイドからチャンスを作られていた。
しかも後手後手に回ってフリーでクロスを上げられるので、かなりヤバい状態。
このまま続けば失点も時間の問題かと思われた。
私はわからなかったのだが、日本は4-2-3-1のシステムで望んだらしい。
メンバー的には同じ、しかしアンカー阿部システムじゃなく、ダブルボランチに変更してきた。
試合後の会見で岡田監督が言っていた。
立ち上がり10分過ぎでいつものアンカー阿部システムに戻して以降、守備が安定する。
もちろん相手のシステムとの相性もあるだろうが、
アンカー阿部システムが如何に強力かがわかる流れだった。
そして日本のFKから先制点が生まれる。
朝にも書いたが、この試合最大のポイントである。
攻撃、どうやって点を取るかが一番の課題である日本が点を取ってしまった。
それまでにも日本がある程度良い形を作っていたが、
それも含め、この試合で日本が攻撃でそれなりの形を作れたのは、
試合の状況に負うところが大なのは間違いない。
勝たなければ決勝トーナメント進出がないデンマークは前がかりにならざるを得ない。
日本はそこを突けば良かった。
1点を取られれば更に得点が必要となり、前に出て行く必要が生じ、
DFが薄くなってファウルで止める機会も増える。
それにしても、まさかグループリーグ突破するなんて。
まず間違いなく3戦全敗だと思っていた。
チーム状態がどん底まで落ちて、開き直った末の守備的戦術の採用が
起死回生のタイムリーヒットとなったような感じだ。
岡田監督はこういう、窮地に陥ったチームを急ピッチで立て直すのは
前回の代表監督就任時で証明済みだし
理想を追ったはいいがうまく行かず、現実路線に戻して結果を出すのは
札幌や横浜時代に経験済みだ。
そういった緊急回避的手腕は素直に凄いと思う。
しかし、先日も書いたが今回の場合は攻撃面で間に合っていないと思う。
デンマーク戦では攻撃的な姿勢が賞賛されているようだが、
私はそれほど攻撃的だとは思わなかった。
前述の通り、状況に助けられてる部分が多いと思うわけだが
(もちろんその状況を作り出したのは日本ではある)、
そうすると心配なのは次のパラグアイ戦だ。
決勝トーナメントでは互いの立場は平等である。
しかもパラグアイは伝統的に守備が堅く、今大会でも3試合で1失点。
今までのようには行かない、と予想するが気持ち良く予想を裏切って欲しい。
3-1日本! [ 日本代表 ]
W杯南アフリカ2010 グループE第3戦日本対デンマークは3-1の勝利。
日本は2002年日韓大会以来の決勝トーナメント進出を決めた。
まずはおめでとう。
よくがんばった!
「もう終わってた」なんて書いて済みませんした。
この試合の最大のポイントは早い段階での先制点だろう。
日本にとっては、課題だった攻撃面でどうするかがセットプレイでいきなり解消してしまった。
デンマークにとっては、勝たなくてはならない試合でいきなりビハインドを背負ってしまった。
当たり前だが、それにも増して先制点の持つ意味は大きかった。
もっと詳しくはまた後ほど。
いったん寝ます。
皆さんお疲れ様でした。
長友とロメダールとロングボールと攻撃どうすんの? [ 日本代表 ]
見せ場続く長友、今度はロメダール
しかし、ウォルコットより速いってほんとかね。
31歳だぞ奴は。
おそろしいな。
まあでも、ロメダールも完封したらマジで海外が現実的になってくる。
ただ長友は守備では実力を証明しているが、攻撃は世界レベルとは言い難い。
カットインしてのシュートはいいものを持っているが、
クロスはその弾道、精度においてまだまだ。
突破力はそれほど上げる必要はないと思うが、クロスの改善は必須だ。
さて日本代表は今大会始めてロングボールを多用してくるチームと当たる。
はっきり言ってまともに競り合ったら分が悪いので
(CBが捨て身で競り合うのは当然のこととして)、
まず出所を押さえる、セカンドボールをアンカー阿部が拾う、を徹底しないときつい。
攻撃は、、、どうするのかね。
変えてくるのか、そのままか。
カウンターが有効と言われてるけど、本田1トップシステムはカウンター向きじゃないし。
全く予想つかない。
スペインとナバスと揺り戻し [ その他サッカー ]
先ほど録画しておいたスペイン対ホンジュラスを観た。
第1戦を敗北してしまったスペインがどう立て直すのか注目だったが
最低限の結果は出したものの、内容的には不満の残る試合となった。
イニエスタが外れてF・トーレスが先発してCFに。
CFだったビジャは左ウイング、右ウイングにはシルバが外れてナバスが入った。
先制点はビジャが左サイドでボールを持ってカットイン、割と前半早い段階でゴールを奪った。
スペインは余裕を持ってパスを回すことができてかつ、シュートも撃てていたが、
何故だろう試合としてあまりおもしろくない。後半気付いたら寝てた。
そんな寝落ちするような試合で私をいきり立たせてくれたのが、第1戦に続いてナバスである。
確かにビジャの2点目をアシストしたし、PKも獲得した。
それだけで充分という向きもあるだろう。
しかし、それ以外の全てのプレーがひど過ぎる。
ドリブルを仕掛けては抜けず、ボールを奪われ、
クロスを入れては全く誰にも合わずあさっての方向に飛んでいく。
合ったのはそれこそビジャのアシストとなった、マイナスに戻すグラウンダーのパスくらい。
どうして代表に選ばれているのか、どうしてW杯の舞台で先発を張っているのか、さっぱりわからない。
腹立ち度は金子が解説してる時の意味不明なうめき声並みである。
ところでこの記事。
高まる戦術の重要性、サッカーの均質化
W杯のグループリーグも2周が終了したが、やっぱり守備的で退屈な試合が多い。
私が本格的に観始めたのは98年(94年はちらちらっとしか観ていない)からだが、
それ以降に限れば、これはかなり極端な傾向ではないだろうか。
ただ、今までの例で行くと、極端な方に振れると必ず揺り戻しが来る。
守備的サッカー至上主義なんぞそうは続かないと断言しよう。
いつになるかはわからないが。。。
ハンドとラフプレーと退場とエラーノのシュート [ その他サッカー ]
先ほど録画しておいたブラジル対コートジボアールを観た。
期待していた一戦だが、なんとも言い難い試合だった。
まずルイス・ファビアーノの2点目がハンド絡みだった。
一連のプレーで2回手に当たっているが、最初の方は意図的と思われないので反則ではない。
しかし2度目のはトラップにいった手に当たっているので、これは明らかな反則だ。
そしてコートジボアールのラフプレー。
スパイクの裏を見せて相手のすねに当たるプレーがTVで観る限り2度。
最後にカカの退場。
状況としてはコートジボアールの選手がよそ見しながらカカにぶつかって行っている。
カカもややひじを突き出すような動作をしているが、
コートジボアールの選手は顔を押さえて倒れ込んでいる。
これは明白な演技であり、上記のようなラフプレーがファウルにさえ取られないで
カカが退場になるのは全くもって納得が行かない。
裏見せスパイクで負傷退場してしまったエラーノだが、
この選手のシュート、2得点(北朝鮮戦、コートジボアール戦1得点ずつ)とも私はかなり好きである。
両得点とも、ダイレクトに、インサイドキックで、グラウンダーの、コースを狙ったシュート。
最高である。
もちろんラストパスがグラウンダーの質の高いパスだったということもあるだろう。
ただ彼のシュートを観ていると、良いシュートには過大なパワーは不必要ということがわかる。
タイミング良く正確にコースを狙えば、思いっきり撃つ必要なんて全くない。
FWに上記のスキル、落ち着きを求めるのは当然だが、
日本代表でもJリーグでも、ラストパスを出す側が、
そういうシュートを撃てるようなパスを出すことを意識して欲しい
(先日書いたDFが戻りきる前にDFとGKの間に入れるクロスもそのひとつだ)。
そういった面から得点力不足、決定力不足を改善していって欲しい。
やっぱり攻撃か [ 日本代表 ]
W杯南アフリカ2010 グループE第2戦日本対オランダは0-1の敗戦。
よく頑張ったけど、限界も見えた。
日本はカメルーン戦と同じ布陣で守備的な入り。
場所的には自陣に入ったところ、ポジション的には相手のボランチ辺りからプレッシャーかけていた。
CMFの2人が相手のダブルボランチ、アンカー阿部がスナイデルに相対してバランス良く守ることが出来、
圧倒的にボールを支配されながら、危ない場面は作らせなかった。
というのが前半。
後半に入って、オランダがシフトアップしてきて狙い通りやられてしまった。
ここから日本は、攻撃的に戦い方を変える。点を取り返す方に。
CMFの2人や両サイドバックが勢いよく上がるようになり、オランダを押し込む形に。
選手交代を機にシステムも攻撃的に変える。
中村が入ってからのピッチ内を観てると、彼のパスを受ける選手が欲しくなってくる。
本当に点が欲しいなら、裏を狙うタイプのFWを入れて2トップにするべきだと思っていたが、
まさか岡田監督がそういう交代をするとは思わなかった。
玉田と岡崎を入れ、本田と岡崎の2トップ、中村と玉田のサイドハーフ、
阿部と遠藤のボランチで4-4-2。
さらにそこから闘莉王を前線に上げて阿部をCBにし、遠藤の1ボランチ。
正確にはわからなかったけど、4-1-3-2のようなシステムか。
かなり攻撃的な布陣である。
しかし、攻撃的に変更して実際オランダを押し込む形にはなったものの、
いい形でシュートを撃てるチャンスは闘莉王が長いクロスを岡崎に落とした1回のみ。
攻撃的シフトチェンジは効果的に機能したとは言い難い。
特にみんな指摘している選手交代。
交代で入った中村、玉田、岡崎は、現在の阿部アンカー、本田1トップへのシステム変更に伴って
外されてしまった選手たちであり、現在のチームコンセプトに合っていない。
今回のような試合展開ならサイド突破型の選手を入れたかったし、
本田があまり機能しないようなら、ヘディングでの競り合いにもある程度の可能性を見出せる
別の1トップを張れる選手を入れたい。
それは例えば石川であり、前田であるわけだが、彼らを筆頭として
そもそも現在のコンセプトに合うような選手が23人に選ばれていないのだ。
非常に強固な守備網を築けて強豪国にも太刀打ち出来るようになり、
先行逃げ切りなら可能になったが、先制されて点を取りに行かなければならなくなった時、
さてどうしようという感じで手がなかった。
突貫工事は守備の面では成功したが、攻撃面では間に合わなかった。
と言うより選手選考からやり直さなければならない程の大転換だった。
W杯という舞台でオランダ相手に引き分けの可能性も十分あったのは成功の部類に入るだろう。
しかし、選手選考の時点で本大会での方向性を見出せていれば
それ以上の結果や内容も期待出来たわけで、それは残念以外の何物でもない。
評価がコロコロ変わって申し訳ないが、
私はカメルーン戦の評価で、方向転換は間に合ったと書いたが、訂正である。
方向転換は、守備の面では間に合った。しかし、攻撃面では間に合わなかった。
守備で世界の強豪国とほぼ互角の域というのは凄いことだ。しかもこの短期間で。
しかしやっぱり、守備で相手を焦らせるだけでなく、攻撃で相手をおびやかすのも観たい。
それが結果に結びつかなくとも、相手に日本やるな、我々からすればただ負けはしねーぜ!
と思わせ、思えるような戦いぶりが見たい。
長友とカイト [ 日本代表 ]
長友 ゲーセン入り浸りの日々乗り越え 恩師と母のために戦う
いい話だなあ。
「お母さんがいてくれるだけで、僕はよかった」
これは泣ける。
ボローニャとか具体的な名前もちらほら出ている通り、長友は東京で今一番海外クラブに近い選手だ。
エトー側の要因もあるようだが、あのエトーを封じたという事実は大きい。
海外移籍へ加速するかもしれない。
サポとしてはなんつーかちょっと微妙ではあるが。
オランダ戦ではおそらくカイトとマッチアップする形。
カイトは突破力のある選手ではないので、エトーのようにドリブル警戒というよりは
縦横無尽に動く運動量と勝負ということになるだろう。
オランダ初戦の2点目は、カイトが労を惜しまずゴール前に詰めていたことで生まれた得点だ。
これに象徴されるようにひとつひとつのプレーを大切にする選手なので、
そういう部分で負けないようにしたい。
カイトは守備も献身的にやるので、それを逆手に取れば
長友が押し込んで相手の攻撃を封じることも出来そうだが、今の戦術ではそうはしないだろう。
ついさっきオランダ戦のスタメンが発表されて、カメルーン戦と同じとのこと。
やや守備開始ゾーンを上げるという報道があるが、
それ以外はカメルーン戦と同じ戦いぶりになるだろう。
大勢を占める反応としては、勝てば万々歳、引き分けて上出来、負けても致し方なし、という感じかな。
守備的戦術の世間の最終的な評価はデンマーク戦以降に持ち越される。