やっぱり攻撃か [ 日本代表 ]
W杯南アフリカ2010 グループE第2戦日本対オランダは0-1の敗戦。
よく頑張ったけど、限界も見えた。
日本はカメルーン戦と同じ布陣で守備的な入り。
場所的には自陣に入ったところ、ポジション的には相手のボランチ辺りからプレッシャーかけていた。
CMFの2人が相手のダブルボランチ、アンカー阿部がスナイデルに相対してバランス良く守ることが出来、
圧倒的にボールを支配されながら、危ない場面は作らせなかった。
というのが前半。
後半に入って、オランダがシフトアップしてきて狙い通りやられてしまった。
ここから日本は、攻撃的に戦い方を変える。点を取り返す方に。
CMFの2人や両サイドバックが勢いよく上がるようになり、オランダを押し込む形に。
選手交代を機にシステムも攻撃的に変える。
中村が入ってからのピッチ内を観てると、彼のパスを受ける選手が欲しくなってくる。
本当に点が欲しいなら、裏を狙うタイプのFWを入れて2トップにするべきだと思っていたが、
まさか岡田監督がそういう交代をするとは思わなかった。
玉田と岡崎を入れ、本田と岡崎の2トップ、中村と玉田のサイドハーフ、
阿部と遠藤のボランチで4-4-2。
さらにそこから闘莉王を前線に上げて阿部をCBにし、遠藤の1ボランチ。
正確にはわからなかったけど、4-1-3-2のようなシステムか。
かなり攻撃的な布陣である。
しかし、攻撃的に変更して実際オランダを押し込む形にはなったものの、
いい形でシュートを撃てるチャンスは闘莉王が長いクロスを岡崎に落とした1回のみ。
攻撃的シフトチェンジは効果的に機能したとは言い難い。
特にみんな指摘している選手交代。
交代で入った中村、玉田、岡崎は、現在の阿部アンカー、本田1トップへのシステム変更に伴って
外されてしまった選手たちであり、現在のチームコンセプトに合っていない。
今回のような試合展開ならサイド突破型の選手を入れたかったし、
本田があまり機能しないようなら、ヘディングでの競り合いにもある程度の可能性を見出せる
別の1トップを張れる選手を入れたい。
それは例えば石川であり、前田であるわけだが、彼らを筆頭として
そもそも現在のコンセプトに合うような選手が23人に選ばれていないのだ。
非常に強固な守備網を築けて強豪国にも太刀打ち出来るようになり、
先行逃げ切りなら可能になったが、先制されて点を取りに行かなければならなくなった時、
さてどうしようという感じで手がなかった。
突貫工事は守備の面では成功したが、攻撃面では間に合わなかった。
と言うより選手選考からやり直さなければならない程の大転換だった。
W杯という舞台でオランダ相手に引き分けの可能性も十分あったのは成功の部類に入るだろう。
しかし、選手選考の時点で本大会での方向性を見出せていれば
それ以上の結果や内容も期待出来たわけで、それは残念以外の何物でもない。
評価がコロコロ変わって申し訳ないが、
私はカメルーン戦の評価で、方向転換は間に合ったと書いたが、訂正である。
方向転換は、守備の面では間に合った。しかし、攻撃面では間に合わなかった。
守備で世界の強豪国とほぼ互角の域というのは凄いことだ。しかもこの短期間で。
しかしやっぱり、守備で相手を焦らせるだけでなく、攻撃で相手をおびやかすのも観たい。
それが結果に結びつかなくとも、相手に日本やるな、我々からすればただ負けはしねーぜ!
と思わせ、思えるような戦いぶりが見たい。