山形時間 [ Jリーグ ]
2001シーズンに柱谷監督が就任して以降、方針を大きく転換して
性急なJ1昇格を目指すのではなく、長期的な視野に立ったサッカー、スポーツ文化の
定着、普及を目指すようになったモンテディオ山形。
柱谷監督の頃は、やっているサッカーもそうしたクラブの姿勢も好きで
首都圏で試合を行う時には観に行ったりしていた。
そんなライトなファンであった私の目に留まるのが、在籍する選手の処遇である。
当時柱谷監督もインタビューで答えていたが、上のクラブから引き合いのあった選手は
本人が希望すれば積極的に移籍させるという、
極論すれば山形のクラブとしての成績を度外視したような運営方針がそれだ。
山形が凄いのは、若い選手を集めて付加価値を付けて売る
というような経営戦略的な意図で選手を移籍させるのではなく、
選手個人の将来を考えてのことであるところだ。
本当に選手個人のことを考えているか否かは、
部外者であり一介のサッカーファンである私には裏の取りようもない。
だが柱谷幸一監督のインタビューを見、そして2001シーズンの昇格争いの真っ只中で
当時J1だった札幌へ堀井を移籍させるなど、実際のクラブの行動から察するに、
私は間違いないと思っている。
2002シーズン 佐藤悠介→セレッソ
鈴木健太郎→ヴェルディ
2003シーズン 羽地登志晃→市原
鷲田雅一→市原
これだけ主力を放出してなお、2004シーズンには再び昇格争いに絡んでくるのだから恐るべしだ。
その2004シーズン後も昇格争いの牽引車となったJ2日本人得点王の大島を横浜へ、星を京都へ放出。
柱谷幸一退任後もクラブとしての姿勢は変わる兆しを見せない。
まるで山形時間が流れているような、独自の路線を歩むこのクラブ。
一つにはJ2だからこそという部分がある。
J1に上がった時運営方針がどうなるのか、見たいような見たくないような。