遠い夜明け [ FC東京 ]
J1リーグ第8節千葉戦は23で敗戦。
今シーズンこれまでどんなヘコい試合を見せられても、
発展途上であるが故の迷いがあるせいだと思って情けなく思ったことはなかった。
しかし今日の前半は情けなかった。
攻めては人もボールも停滞の極み。
守っては相手の動きに振り回されてフリーの選手を次々に作られ、どフリーでシュートを撃たれる。
私は先制点を奪われた後のオフサイドになった幻のゴールの時点で、虐殺されることを覚悟した。
失点を重ねても意気消沈するばかりで戦う気力が感じられないのは、
結局、俺たちはこう戦えばいい、こう戦うしかないという
拠って立つべき戦術が確立されていないからに尽きると思う。
1点返してから以降の、プレッシングからDFラインの裏やサイドへ素早く展開する
がむしゃらなプレーに立ち返るしかないのが現状なのだ。
だがわかりやすく頑張ってる感のわかる上記のようなスタイルは、今東京が目指している方向ではない。
リードを奪われようと、慌てず騒がず、じっくりボールを保持し、
局面で数的優位を作り、フリーの選手を作り、相手陣内に押し込んで圧力をかけ、
クロスとスルーパスとシュートの雨を降らせ、じわじわ相手を追い込んで屈服させる。
そんな王道を行くスタイルなのだ。
もちろん機を見てカウンターだって仕掛ける。それは当然。
目標ははっきりしている。
でもその実現のために、例えば梶山はボールを持った時にどんなプレーを選択すべきか、
周囲の選手はどんなプレーをすべきか。
具体的なビジョンがまるで描けていない。
様子見プレーが頻発するのはむしろ必然であるとさえ言える。
迷いは守備にも現れる。
市原の選手は、ボールを奪われた瞬間に守備に切り替える。
ガンガンプレッシングするわけではないが、高い位置から守備が開始されるために、
ボランチはおろかDFラインにも無理なくプレッシャーがかけられる。
東京はこの逆だ。
守備に切り替わってもとりあえず様子見。
ボールにプレッシャーをかける相手に対した時、どう状況を打開するのか。
第2節新潟戦で提示された問題は、解決の糸口も見出せないまま東京は第8節を終えた。