動きの中からポゼッションは生まれる [ FC東京 ]
J1リーグ第7節磐田戦は31で勝利。
変化が現れた。
今まではボールを保持した時、パスレシーバーは
自分のポジションに立ち止まってボールを受けようとしていた。
ボールを失わないようにポゼッションしようとするあまり、
安全に行こうという意識が強くなり過ぎ、動きが削がれてしまったためだった。
停滞する選手とボールの動きに、我々はストレスを募らせていた。
今日は違った。
選手は皆、動きの中でパスを受けようとする。
これは監督の意識付けによるものだろう。
まず動けと。動きの中からポゼッションは生まれるのだと。
やっぱり選手同士が互いの動きを見ていないので、
連動したスペースを作り合い、使い合うといったプレーはない。
だが、ひょっとしてこういうプレーを目指しているのかと思わせるプレーがあった。
前半開始早々、5分くらいだったか、増嶋が右サイドバックの徳永にじわじわドリブルして寄っていく。
タッチラインが近くなってきたところで、増嶋が近寄ってきたボランチ(梶山?)にボールを渡す。
ダッシュする徳永にダイレクトでパスを出し、右サイドを破る。
東京の右サイドバックの位置にあえて選手を集中させることで
相手の選手と意識を引きつけ、本来の右サイドバックがオーバーラップを仕掛け裏を取る。
見事にはまっておおーという良い攻撃だったが、
この後の試合の様子を見る限り、おそらく狙ってやってない。
この一連のプレーの中にはいくつかの良い点がある。
増嶋の相手を引きつけるドリブル、ボランチのダイレクトの展開、
徳永の第3の動きとオーバーラップ。
私としては、こういう形を作ろうと意図して作って欲しいと思うが、
結果としてこういう形を作るために、違うアプローチもあるのかと思った。
つまり、全ては動きの中でパスを受けることがスタートだ。
増嶋のドリブルに対してフォローするボランチ、
自分から動き出して前でボールをもらおうとする徳永。
センターバックが起点となり、ボランチのダイレクトパスとサイドバックの第3の動き
なんていう難しい型を作ろうとは意図してはいない。
が、動いてボールをもらう、これが2つうまくつながると結果として同じプレーに到る。
もちろん、全体としてはまだまだ。そのとばくちに立ったに過ぎないけど
”動いてもらう”を積み重ねることによって”連動”にしていく。
そんなガーロ監督の意図が垣間見えたと思ったのだが、どうだろうか。