内田の謎 [ その他サッカー ]
欧州チャンピオンズリーグ10-11準々決勝1stレグ インテル対シャルケをTV観戦。
両チーム計7点入る派手な試合だったが、内容的にはまあまあな感じ。
試合そのものよりも、日本人選手が注目だった。
長友は5失点目を喫した後の出場だったのでコメントしづらいが、
内田はフル出場して点にも絡んでおり、7.0も納得のプレーぶりだった。
書こう書こうと思って結局書かずじまいだったのだが、
私は内田篤人という選手が鹿島でレギュラーだったり代表に招集されたり、
どうしてこんなにも高評価なのかがずっとわからなかった。
最終的には海外移籍、それもシャルケというブンデスリーガの
中堅クラブへの移籍を果たしてしまうのも。
鹿島での様子はあまり観たことがなかったが、少なくとも代表戦で観る限り、
守備はザル、ドリブルも相手DFを突破出来ないし、
クロスはどこに上げてるのかわからないようなレベル。
スピードも特別速いわけではなく、無尽蔵のスタミナを誇るというほどじゃない。
そして常に全力を出し切る気持ちの良いプレーをするわけでもない。
唯一褒めるとすれば、オーバーラップをかけるタイミングくらい。
その昔ジーコが日本代表監督だった時に当時東京所属の加地が招集されることが
当ブログでも書いたように非常に不思議だったが、内田に比べればまだ納得度は高いと思う。
結局内田が日本にいる間は、観るたびに何故この選手が、という疑問が解消することはなかった。
そして昨日、ECLの舞台で内田を観て、これならシャルケでレギュラーを張るのは妥当だと納得した。
守備は安定してるし、突破力はそれほどでもないがクロスの弾道は相当改善してる。
そしてオーバーラップのタイミングは相変わらず良い。
ここで来い!というタイミングで必ず上がってくる戦術眼には磨きがかかったようだ。
でもまあ今回のプレーぶりがいくら良いとは言え、
鹿島に在籍してた当時の彼に対する評価が変わるわけでもないので
以前として謎のままなわけだが。
大丈夫だ [ その他サッカー ]
東北地方太平洋沖地震復興支援チャリティーマッチ がんばろうニッポン!
SAMURAI BLUE(日本代表) VS. Jリーグ TEAM AS ONE
自宅にてTV観戦。
いい試合だった。
チャリティーマッチは大成功だった。
前半、ワンランク上の連携を見せる日本代表が主に長友のサイドからチャンスを量産する。
いい位置で得たプレイスキックのチャンスを、遠藤が見事な軌道を描くFKを決めて先制。
そのすぐ後に、本田のタメから抜け出す岡崎にドンピシャのタイミングでスルーパス。
それを冷静に決めて2点目。
後半は両チーム選手を大幅に入れ替えてきたこともあり、ややテンションが落ちた。
しかし後半37分、我々は信じられない光景を目にする。
カズと言えば、日本代表の重要な試合や、Jリーグのチャンピオンシップ、オールスターなどで
数々の記憶に残る得点を決めてきた男だ。
その”持ってる”度合いで言えば、はっきり言って本田など足元にも及ばない。
しかしそのカズも、昨年こそ10試合で3得点と得点率的には悪くない数字を残しているものの、
ここ3年で見れば、70試合で4得点。
17.5試合で1点の割合である。
試合を観てて、いやいや、こういう時に決めるのがカズだ、という気持ちがありながらも、
まあ今年44歳なんだからさすがのカズも今日得点するのは無理だろう、という気持ちが優勢だった。
そして迎えた後半37分。
闘莉王がすらしたヘッドに走り込み、ダイレクトでGKを抜くシュート。
ボールは無人のゴールに吸い込まれた。
カズのインは後半17分。
わずか28分間のプレーである。
果たして、ここ3年で17.5試合に1得点の44歳の男が、たった28分間で得点を決められるものだろうか。
信じられない。
私はこの目で見てなお、信じられない思いでいっぱいだ。
この、奇跡とも言えるようなゴールを決めてしまう男カズ。
私は畏怖さえ感じた。
しかしだからこそ、日本は大丈夫だと思った。
もうなんか理屈では説明できないが、そう思ったのである。
地域性の表れ? [ Jリーグ ]
昨日のニュース。
J2クラブが噴火復興支援の募金金額発表
北九州 7万2804円
熊本 1万1019円
愛媛 5万3279円
徳島 2万8980円
なぜかこのニュースからは漏れているが、同件の東京の発表。
東京 48万8467円
桁が違うので何かの間違いかとも思ったが、
東京の簿募金額を入場者数で割って一人当たりの募金額を計算してみると
23円/人
これは入場者全員が募金した場合だが、仮に10人に1人だったとしても
228円/人
と非現実的な数字ではない。
入場者数を加味しても
北九州 3359人
熊本 6611人
愛媛 6230人
徳島 5854人
てな感じで10倍も違わない。
どういうこっちゃ。
いきなり暗雲 [ FC東京 ]
J2第1節 東京対鳥栖は1-0の辛勝。
勝利を拾ったものの、今後に暗雲立ち込める試合だった。
開幕戦は、練度がまだ充分でなくとも今シーズンどういったサッカーをやっていくのかが
ある程度見えるはずの試合だ。
と言うよりそうでなくてはならない。今まで何をやってたんだということになるからだ。
という観点からすると、この試合は相当にひどかった。
何コレ?って感じである。
まさかあんなチンタラしたサッカーを意図してやろうとしているわけではないと思うので
仕上がりが悪いということなのだろうが、それにしてもJ2中位クラスの鳥栖を相手に
あれはないだろうってくらいの出来だった。
なんと言っても足元パスばっかりなのでDFが崩れるわけがない。
足元で受けた選手がそれぞれその局面で個人勝負の繰り返し。
複数の選手が連動してラストパスまで行った攻撃は、先制後鳥栖が前掛かりになったところに
カウンターを撃ち始めるまで、私の記憶では1回しかなかった。
逆に鳥栖はそうしたパスワークから作った決定的なチャンスが前半だけで3回あった。
それのどれかでも決まっていたら結果はどうなっていたことやら。
それにも増して不安なのは、結局のところ何をやろうとしてるのかよくわからないことだ。
どういうこっちゃ。
別に流麗なパスワークからゴールを奪うことを目指しているわけではないだろうけど、
1年での昇格、それも全勝でのJ1復帰を目標に掲げるなら、特に初戦で相手を圧倒しておくことは
シーズン通しての戦いを有利に運ぶためにも必要なことだった。
その貴重な機会を失った代償は大きかった、なんてな風に振り返ることにならなきゃいいけど。
セルジオ越後が好きになった大会 [ その他サッカー ]
日本代表の優勝という大団円で幕を閉じたアジアカップカタール2011。
度重なる苦境を乗り越えて優勝を果たした日本代表ももちろんすごかったが、
私の中で従来の評価を完全に覆した解説者がいてこの記事を書こうと思い立った。
本題に入る前に松木について。
私は元々、松木はいわゆる解説者としてでなく、
日本代表サポーターとして見れば全然オッケーと擁護してきた。
その裏側には他の”解説者”のレベルの低さがあるわけだが
(これについては以前の記事「俺は松木が好きだぞ」を参照されたい)。
上記の記事を書いた2004年当時は松木の解説が
サッカーファンから猛烈なバッシングを受けていて(実況角澤とのコンビだった)、
記事をアップするのに結構勇気が要ったのを憶えている。
今大会で松木が解説者としてでなく、ネタキャラとして認知されたのには溜飲が下がる思いだ。
前置きが長くなってしまった。
本記事は松木ではなく、もう一人の解説者、セルジオ越後についてである。
私は今まであまりセルジオ越後が好きではなかった。
勝っても負けても、内容が良くても悪くても、
基本苦言しか言わない彼の解説はどうにも好きになれなかった。
が、今大会の決勝での、李のゴールが決まった時、
大喜びし過ぎててよくわからないことを口走っているセルジオを見て、彼が好きになった(笑)
以下の動画の1:14過ぎ。
2:49過ぎからは試合終了を告げるホイッスルが鳴った瞬間のセルジオの喜びようが聞ける。
Yeah! Ola! Ola! ゴホッ Yeah! Yeah! やった~! ほうら李だろ!!(???笑)
たぶん、私が観ていないところで彼はいつも日本代表の勝利や敗北に喜び、そして悲しんでいたんだろう。
私が知らなかっただけだ。
カタール2011は、日本代表が4回目の優勝を果たし、
またセルジオ越後の新たな一面に気付かせてくれた大会としても、
私は生涯忘れることはないだろう。
レバノン2000のように。
まずまずじゃないでしょうか。ただし [ FC東京 ]
明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしく。
昨年は結局天皇杯ベスト4で幕を閉じた。
準々決勝福岡戦を辛勝し、鹿島戦は惜敗だった。
やはり課題は得点力ということになるだろう。
福岡戦は序盤に決定機を2度作って以降はさっぱりだったし、
鹿島戦の得点は平山の個人能力以外の何物でもない。
今のところ主力クラスの流出は大黒とリカルジーニョのレンタル終了、
そしてキム・ヨングンのみにとどまっているが、
J2 3位の福岡戦を含む終盤の戦いぶりを観る限りでは、昇格争いも苦戦するような気がしてならない。
現時点で公式発表があった獲得/放出選手を完全、レンタルを問わずポジション別にまとめてみると、
獲得
FW ロベルト セザー
OMF 谷澤、ペドロ ジュニオール
DMF 上里、ホベルト
DF
GK 常澤
放出
FW 大黒、赤嶺、前田
OMF リカルジーニョ、松下
DMF 幸野、森村
DF キム ヨングン、平出
GK 阿部
○FWについて
決定力に加えて献身的な守備と意外な視野の広さも見せた大黒のレンタル終了は痛いが、外国人FWを獲得。
昨シーズンの得点力不足対策を講じようと積極的に動いている感はあるのでそれ自体はいいのだが、
ロベルト セザーの実力が未知数なのが最大の難点。
元新潟と報道されているものの、公式記録を調べてみたら1試合27分間だけの出場だった。
当時18才だったことも考えると何の参考にもならない。
○OMFについて
大熊監督になってからスタメンに定着したリカルジーニョと、出番がなくなってしまった松下を放出。
詳細はわからないが、松下は完全に大熊監督の構想外なのだろう。
リカルジーニョは昨シーズンでの現有戦力ではスタメンクラスだったかも知れないが、
はっきり言って外国人選手があのレベルでは困る。
獲得する谷澤、ペドロ ジュニオールはいずれもJリーグで実績のある選手だ。
谷澤はあの2008年シーズン千葉の奇跡の残留での大活躍が記憶に新しい。
余談だがWikipediaに載っているエピソードがかなりおもしろい。これだけ見ると完全にネタキャラである。
トーチュウによるとペドロ ジュニオールは左サイドで起用する方針らしいので
単純に考えるとカウンター→サイド突破してクロス→中で合わせるイメージだろうか。
そういう意味ではリカルジーニョを起用していた時とイメージは同じということになる。
今まで東京に来た外国人選手と違って性格に難ありそうなのが心配ではあるが。
○DMFについて
若手をレンタル放出してJ2で実績豊富な選手を補強。
昨シーズン本職のボランチがいなくなってしまったことの反省が反映されているようだ。
米本がオリンピック予選のため不在になることがほぼ確定している背景もある。
2次予選が6月に、最終予選が9~11月に予定されているので、
守備的なホベルト、攻撃的な上里の使い分けが予想される。
○DFについて
安定感のあったヨングンが完全移籍。サイドも出来るユーティリティ性を備えていたヨングンの移籍は
現時点での放出選手中大黒と同レベルかもしくはそれ以上の戦力ダウン。
今のところ公式発表されているDF獲得はないが、トーチュウで柳楽智和加入の報道があった。
J2での経験は豊富だが、実力はヨングンほどではないだろう。
今後このポジションの補強があるかどうか注目される。
○GKについて
第3GKを放出してその分を補強。
権田はもう残留決定でいいのかな。シーズン中はどうなるかわからないなんて感じだったけど。
てな感じで、人数的には放出の方が多いけど、全体のレベルとしては上がっている印象。
方針はJ2で実績のある選手を獲る、ということなのかな。意外と動きが早かった。
相当危機感を持っている様子が窺える。そうじゃなきゃ困るけど。
最大のポイントは、やはり新しい外国人FWの実力だろう。
これが外れだった場合、相当苦しむことになりそうだ。
降格の影響 [ FC東京 ]
降格が決まって1週間。
降格の影響を冷静に分析してみる。
私自身は、J2に落ちても何ら変わらず応援するのみ。
私は東京というクラブそのものが好きだからだ。
それはJ1だろうがJ2だろうが同じだ。当たり前だが。
これまで何度も書いているように、J2のあの雰囲気が好きというのもある。
ただ、1年でのJ1復帰が至上命題である来シーズンに、あの頃の雰囲気が甦るかどうかは微妙だとは思うが。
しかし個人的にはそんなのんきなことを言っていられるものの、
クラブとしてはJ1のブランド力がなくなったことによるマイナス面だらけだ。
まずは収入の減少。
・スポンサー離れ
・観客動員の減少
・ソシオ、ファンクラブ会員、クラブサポートメンバーの減少
上記による強化費の削減
・選手獲得、維持費用の削減
・ユース育成費用の削減
・スタッフレベルの低下
それによる2次的な影響
・代表選手の減少
・選手レベルの低下
・サッカーの質の低下
ブランド力の低下が直接及ぼす影響
・選手獲得、維持が困難に
・TV等メディアへの露出の減少
こんなところだろうか。
これらは互いに影響しあい、下手をすると負のスパイラルに陥ってしまう。
クラブの前途多難さを考えると暗い気持ちになってくるな…
終わった [ FC東京 ]
J1第34節東京対京都於西京極陸上競技場は0-2で完敗。
J2降格が決まった。
到着が遅れて、私が競技場に入ったその時が京都に先制点を決められた時だった。
失点の様子はわからなかったが、この大事な大事な一戦で先制点を失った東京は
ホーム最終戦であるという以外にモチベーションのない京都にその後も有効な攻撃を出せず、
逆に終了間際に決定的な追加点を奪われて完敗を喫した。
やはり最大の原因は、先週も書いた通り、攻撃方法を確立出来なかったことだろう。
これだけシーズンを通して得点出来る気がしなかったシーズンは初めて。
ちなみにガーロ監督時が次点だ。
最後はなりふり構わぬ放り込みもやったが、ターゲットの平山は、背は高いがヘディングの競り合いに弱い。
そのためせいぜい胸トラップ出来るくらいの高さでないと意味がない。
実際放り込みから得点チャンスはまるで生まれなかった。
じゃあ長いボールで平山を生かすにはどう入れるのか、
というのがこのチームにはないのだ残念ながら。
J2落ちは正直ショックだ。
お前たちは弱い、という烙印を押されたも同然だからだ。
それは実際そうで、シーズン当初けが人が多く出て特に中盤は急増だったとか、
長友が移籍したとかは言い訳にならない。
強いチームはそういったマイナス要因も、どいういう形であれ克服する力があるからだ。
克服出来なかったのは、それだけの力が備わっていなかったということでしかない。
そしてJ2落ちには、これも先週書いた通りまさか、という思いが強い。
おそらく大方のサポーターがそうだろう。
そして、選手、スタッフ、チーム関係者全てにおいて自分たちは多分大丈夫だ、という考えがあった。
特に残り2節、神戸との勝点差3となった時点で。
そこに隙が生まれたのだ。
我々はそのことを、胸に刻むしかない。