なでしこの1年 [ 女子サッカー ]
なでしこリーグのオフィシャルサイトに各チームの年頭の挨拶が掲載されている。
キャプテンからの挨拶とともに写真があって、これが結構いい。
チームによって温度差があるが、人文字を作ったり、メッセージを手に持ったり。
また、TASAKIペルーレの磯崎キャプテンからのメッセージがよかった。
単なる挨拶に終わっていない。
短いけど人柄がにじみ出るような、いい文章だなと思う。
昨シーズンのなでしこリーグには、できるだけ行こうと心に決めておきながら
結局シーズン序盤の1試合だけに終わってしまった。
今年こそはと年頭に誓っている。
代表に目を向けると、昨年アジアで行われた2つの国際大会
女子アジアカップオーストラリア2006とアジア競技大会ドーハ2006があった。
アジアカップでは3位決定戦で北朝鮮に敗れてワールドカップ出場権獲得が大陸間プレーオフに持ち越しになり、
アジア大会では決勝に進出して初のアジア制覇を目前にまでするも、またもや北朝鮮に阻まれてしまった。
特に後者の場合、PKにまでもつれ込んでスコア上は僅差の準優勝ではあったが、
内容は北朝鮮に圧倒された完敗であったことが、逆に北朝鮮との実力差を際立たせられた印象を受けた。
だが、選手たちは自信をつかんだようだ。
3月10日に国立競技場で行われる大陸間プレーオフ第1戦、
自信あふれるプレーで勇姿を見せてくれるだろう。
追記
TASAKIを、なでしこジャパンを支えた川上選手が引退した。
昨年12/27のことである。
3年半前のW杯大陸間プレーオフ対メキシコ戦以降に女子サッカーを見始めた者のご多分に漏れず、
私は川上選手が好きだった。
なでしこジャパンが一時期採用していた右サイドハーフのいない442は、
右サイドバック川上の絶大な運動量があってこそなし得ていたシステムだ。
nikkansports.comに掲載されていたブログも結構読んでいた。
その川上が引退とは寂しい限りだ。
最後に、女子サッカーをずっと取材されている西森彰さんのこの記事にリンクさせて頂く。
アジアの盟主へ [ 女子サッカー ]
アジア大会ドーハ2006 女子準決勝 なでしこジャパン対韓国は31の勝利。
BS1にてTV観戦。
予選リーグ最終戦だった中国戦に続いての完勝だった。
中国が格下に見えるくらい完璧だった前試合ほどではなかったが
攻守両面で韓国を上回った。
それにしてもなでしこジャパンはきれいなサッカーをする。
アジアでは間違いなくナンバーワン。
世界的に見てもなでしこジャパンのサッカーの質は高いレベルにあると思う。
女子サッカーの強豪は、現在のFIFAランキング上位を占めるドイツ(女子W杯USA2003優勝)、
アメリカ(五輪アテネ2004優勝)を筆頭に、体格のいい国が多い。
アテネ五輪で準優勝に輝いたブラジルは、女子サッカー界では発展途上国であり、
この準優勝が世界大会での最高の成績だ。
アジアのトップ2である中国と北朝鮮も、フィジカルの強さを前面に出した戦い方をする。
結果に対して、男子では体格はそれほどのウエイトを占めないが、
女子においてはそれがかなりの部分を占めるのである。
やはり女子サッカーがまだまだ成熟の過程にあるということだろう。
必然的に戦術的にも、古風なキック&ラッシュを採用している国が多い。
そんな中で、なでしこジャパンのサッカーは異色とも言える。
テクニックと俊敏さ、豊富な運動量とパスワークで相手DFを崩し、ゴールに迫る。
見せてくれ。決勝でもそんな高質なサッカーを。
最上の船出 [ 女子サッカー ]
アジア大会ドーハ2006 女子予選リーグ第1戦 なでしこジャパン対ヨルダンは130の勝利。
BS1にてTV観戦。
実力差があり過ぎた。
競技人口の少ない女子とは言え、国際大会でここまで実力差がある試合は初めて観た。
ハーフコートゲームどころか、1/3コートゲーム。
ヨルダンのゴールキック。
キーパーが飛ばせないらしく、フィールドプレーヤーが蹴るのだが、これがまた飛ばない。
ヨルダン陣内の半分を超えた辺りまでしか行かないから、
日本のDFがヘディングで跳ね返すと即チャンスである。
ヨルダンが日本陣内に侵入したのが試合を通して3、4回。
キーパーの山郷がボールを触ったのが確か2回だ。
ヨルダンのFWのいる位置が、前述のヨルダン陣内の半分を超えた辺りだから、
相当引いて守っている。
それに対して日本は素早いパス回しから次々にチャンスを作った。
サイドからの崩しあり、中央突破あり、ミドルシュートあり。
実に多彩な攻撃で素晴らしい内容だった。
ただ、格下の相手に素晴らしい内容を披露出来るのは何度も観て分かっている。
問題は同格以上と当たって厳しいプレッシャーにさらされた時に、
簡単に自分達のサッカーが出来なくなってしまうことだ。
ワールドカップ予選プレーオフに向けて、この大会でその弱点を克服しておきたい。
手負いの北に噛まれた手を再び振り上げるのは3ヶ月後 [ 女子サッカー ]
悔しい試合を連続で見せられると、精神的にもつらい。
女子アジアカップオーストラリア2006 3位決定戦 日本対北朝鮮は2−3で敗戦。
スポナビの河崎さんは敗因を以下の2点に集約している。
なでしこリーグにおけるレフェリーの接触プレー判定基準の甘さ
体力ベースの乏しさ
上記2つはフィジカル面についての指摘だが、私はそれに加えて、メンタル面の弱さを挙げたい。
より具体的に言うと、リードを奪われた時のメンタルの弱さである。
試合が拮抗している時、あるいはリードしている時のなでしこジャパンは、
華麗なパスワークで相手を翻弄してサイドを崩し、シュートにまで持って行くことが出来る。
だがリードを奪われると、焦りが生まれて
一発スルーパスやロングボール、中央突破など、確率の低い攻撃が多くなり
半ば自滅の道を辿ってしまうことがとても多い。
リードを奪われても落ち着いて自分達のサッカーを続けて逆襲の機会を窺う
なんてことは、やっぱり試合経験を積むしかないのかな。
てことは、わかりきった結論ではあるが、国内リーグを充実させねばならんということ。
とは言え、当面の目標は3ヶ月後の大陸間プレーオフか。
思い出してみると、ここまでの情報の露出量は前回を大きく上回っている。
ホーム&アウェーのプレーオフで決めれば、ややしぼんでしまったなでしこへの期待も
再燃するどころの騒ぎではないだろう。
舞台は整ったんだ。頑張ってよ、ホントに。
女子すげぇぞ [ 女子サッカー ]
女子アジアカップ オーストラリア2006 日本対中国は10で勝利。
苦しい試合だった。
日本自慢のパスワークは厳しいプレッシャーにさらされて発揮出来ない。
ロングボールを必死に競って跳ね返す、そんな展開が続いた。
でもなでしこジャパンは踏ん張った。
これまで体格で勝る相手のごり押しの攻撃に何度も苦杯をなめてきたが、今回は違った。
それに、ユニフォームの引っ張りを主審が見逃しても、
日本のスローインが何度も中国ボールになっても、
あからさまなバックチャージにイエローが出なくても、
顔面にヒザを入れられても、
冷静さを失ったり、目には目を的な行動に出たりせず、最後まで死力を尽くした。
荒れてもおかしくなかったこの試合が荒れることなく終わったのは、
ひとえになでしこたちのサッカーに対する真摯さの現れだろう。
日本の準決勝の相手はオーストラリアに決まった。
今大会の評価は高くないが、それでも韓国は東アジア選手権韓国2005で優勝している。
その韓国を40で粉砕したオーストラリアである。
なでしこジャパンにはさらに厳しい戦いが待っていそうだ。
女子がんばってるぞ [ 女子サッカー ]
女子アジアカップオーストラリア2006グループリーグ第2戦
日本対チャイニーズ タイペイは111で勝利。
TV朝日の深夜の録画放送を見たら放送時間1時間のダイジェストだった。
111というスコアもあって、内容のほとんどが得点シーンのような印象。
相手のマークが甘かったことで、日本のいい面ばかり出た試合だった。
11の得点を見ると、ドリブルで一人かわしてのパス、クロスの精度の良さ、
そして落ち着いたシュートが目立つ。
基本的にはパスサッカーだが、
必殺スルーパスで抜け出してキーパーと一対一というシーンは意外と少ない。
スルーパスが得点につながったのは6点目くらいだろうか。
この6点目はきれいだった。
日本陣内深い位置から矢野がリスタート。
矢野からのロングキックをMFがダイレクトヒールで永里(?)にパス。
永里は背後からプレッシャーを受けながらも振り向いて
相手の高いDFライン裏の広大なスペースへスルーパス。
澤が30弱ランニングしてペナルティエリア左の角からダイレクトで中央の坂口にクロス。
1トラップして落ち着いてシュート。
このシーンでもダイレクトヒールのような高度な技術が現れているが、
トラップ、キックの種類が豊富で見ていて本当に楽しい。
またドリブル突破から、あるいはダイレクトで上げるクロスの精度が高い。
まぁもちろん相手のプレッシャーが弱いことも要因だが。
そしていよいよグループリーグ1位を決する中国戦である。
グループBは北朝鮮、韓国、オーストラリアの三つ巴の混戦になっているらしい。
日本はどこと当たりたいかと言うと、韓国のようだ
(江橋よしのりさんのブログのこの記事とこの記事を参照)。
でもまずは相手のことより自分のこと。
どのみちグループBの方が後に行われるので(開催国が後って変わってるな)、日本は相手を選べない。
”本当の戦い”中国戦で勝っていいイメージを持って準決勝に臨みたい。
初戦は1週間後 [ 女子サッカー ]
男子のW杯が終わったら、次は女子アジアカップ兼W杯アジア地区予選が開始。
女子日本代表すなわちなでしこジャパンの試合を観たことがない人は、ぜひこの機会にTV中継を観て欲しい。
サッカーがとにかく奇麗なのだ。
長短のパスをつないだ奇麗な崩し、キレのあるテクニカルなドリブル突破、
絶妙のタイミングで繰り出されるスルーパス、
そしてまた体を張ったディフェンス、ボールに食らいつく執念、
親善試合から見せる勝利への飽くなき意欲、守備に攻撃にアグレッシブなスタイル。
ジーコジャパンにはとても日本サッカーが目指すべき指標となるものはなかったが、
なでしこジャパンにはそれがてんこ盛りである。
ジーコジャパンのドイツでの戦いぶりに脱力してしまった人には(ほとんどだと思うが)
なでしこジャパンのTV観戦をぜひお勧めしたい。
たとえ結果が思わしくなくても、これだけやったんだから仕方ない、
そう思えるほどの試合が期待出来る。
中継はアジア地区予選の放送権を独占しているTV朝日。
放送予定の詳細は明らかにされていないが、
サイトのトップページにバナーが掲示されてるので放送するのは間違いない。
日本の初戦は19日だ。
再び予選 [ 女子サッカー ]
AFC女子アジアカップ オーストラリア2006組み合わせ発表。
女子ワールドカップ中国2007へは、中国を除く上位2チームはそのまま出場。
上位から3番目のチームは北中米カリブ海連盟(CONCACAF)の3位チームとプレーオフ。
前回アメリカ大会では2.5だったアジア枠が、開催国が中国であるために3.5になった。
W杯出場国を決める予選代わりになる女子アジアカップの歴史は意外に古い。
女子W杯中国2007が1991年以来第5回大会であるのに対して、
女子アジアカップは1975年以来15回を数える。
日本の優勝はなく、準優勝が4回。
1991年の自国開催の時にも決勝で中国に50で敗れるなど苦杯をなめた。
苦戦を望むわけではないが、プレーオフに回るのがちょっと楽しみだったりする。
あのメキシコ戦を思い出すからだ。
12,743人を国立に集めた女子W杯アメリカ2003予選プレーオフ2ndレグ日本女子代表対メキシコ女子代表。
アジアカップはオーストラリアで行われるだけに、プレーオフが日本で開催されれば盛り上がるのは間違いない。
日本の初戦ベトナム戦はW杯決勝の10日後、7/19である。