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気分を害する話 [ その他サッカー ]

第85回高校サッカーは盛岡商の優勝で幕を閉じた。
今大会を彩る言葉としてバランス、クレバー、全国的なレベルの均一化などが挙げられるようで、
去年の野洲ショックに続いて、高校サッカーが変わってきていることを感じる。

しかし、それらのキーワードとは別に、気になるシーンがあった。
準決勝でナイスタッチキック(注)をやってる選手がいたのだ。
しかもそれが当たり前のように平然と、である。

私は毎回逐一高校サッカーを観ているわけではなく、せいぜい数試合をTV観戦するくらいだから、
私の観たものが高校サッカーにおける初のナイスタッチキックかどうか、そんなことはわからない。
だが、Jリーグでも、よく観るプレミアリーグでも滅多にないナイスタッチキックを
高校サッカーにおいて見せられたのは私にとっては初めてだった。
(そう言えば、昨シーズンの終盤、東京対浦和於味スタの試合で山田がやってたっけ。
蹴り出した後のジェスチャーや、その後のスローインに対して
浦和がプレッシャーをかけていなかったところを見る限りわざとやったのではなさそうだったが、
逆にゴールラインに蹴り出そうとしてタッチラインを割らせてしまうプロもどうかと思う)

これはルール違反ではない。
だがアンフェアだ。
ブラジル風に言うとマリーシアということになる。
もっともブラジル人はそもそもプレゼントボールという行為自体が念頭にないらしいが。
東京でも、ケリーが平然とナイスタッチキックをやっていてオイオイと思ったことがある。

イタリアではよくやられているようだ。
私自身はセリエAが好きではないのであまり観ていないが、そういう話を聞く。
さすが勝利至上主義が国民性のレベルに達しているイタリアである。

こういう、ルール違反にはならないがアンフェアなプレーも、
世界で戦って行くためには必要だという論調があるが、やる必要は全くないと私は考える。
それを目にすることによって気分を害するからである。

2001年の元旦に行われた第80回天皇杯決勝、鹿島対清水における鹿島の2点目は
私の中ではそういうプレーの最たるものとして記憶されている。
ペナルティエリア付近で市川がケガで倒れていてオフサイドにならないこといいことに
小笠原がクロスを入れたプレーである。

ルール違反ではない。
だが著しく気分を害するプレーである。
こういう、勝つためなら何でもやるというのは私とは全く相容れない姿勢だ。

そう感じる私が少数派でないのは、試合後に議論が巻き起こったことでも明らか。
むしろ、他のスポーツにおける日本選手の姿勢や、文化的背景を考え合わせれば、
自分の応援するクラブが、代表が、そんな姑息な真似までして
勝って欲しいとは思わない方が多数派だろうと私は考えている。

どのプレーをフェアであるとし、どんなプレーをアンフェアだと感じるかは国民性によるところが大きいと思う。
アメリカ人は、サッカーという競技そのものがそもそも公平ではないと感じるという話もあるくらいだ。
(ただ、国民性でくくられた大枠の中での微妙な線引きには個人差が生じるだろう)
ここ日本では前述の通り、いかにルールの内であろうと、アンフェアなプレーは受け入れられないだろう。

なんだって好きなサッカーを観戦してる時に
変な姑息なプレーで気分を害されなきゃならんのか。
知った風な顔してマリーシアとやらを煽るのはやめて頂きたいものだ。

(注)ナイスタッチキック
 けが人等の発生により意図的にデッドにしたボールを返す時、
 ゴールラインを割るように、あるいは相手キーパーに渡るように蹴らず、
 タッチラインに蹴り出すキックのこと。
 続く相手スローインの際、スローインレシーバーにプレッシャーをかけて
 ボールを奪い返すことを目的とする。
 一見フェアそうに見えて実はフェアでも何でもない、その意味で非常にタチの悪いプレー。

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真髄 [ その他サッカー ]

11月18日(土)にBS1で放送された
「スーパーカメラ ドキュメント サッカー新ボール 軌道の謎に迫る」を見た。

ワールドカップドイツ2006で一躍脚光を浴びた”無回転シュート”が
予測不可能な軌道を描くメカニズムをハイスピードカメラを駆使して解析した番組だ。
番組を見て感じたのが、メカニズム解明のおもしろさよりも、
三浦淳宏のフリーキッカーとしての凄さだ。

ボールが+チームガイストになってから”無回転シュート”の頻度が高まった理由は次の2つ。

 その1 構造上、ボール表面がなめらかになった
 その2 かつ、固さが均一になった

その1によってボールの芯を捉えやすくなり、その2によって変化しやすくなった。
+チームガイストがキーパー泣かせのボールと言われる所以である。

三浦淳宏はボールの芯を蹴りやすく、変化しやすくなる以前から”無回転シュート”を撃ってきた。
それも、FKの名手と言われる(例えば)ベッカムや中村俊輔らが回転をかけて
曲げる落とすフリーキックが全盛の時代に、である。

回転をさせないという逆転の発想、
確実に芯を捉える正確な技術、
ロングレンジから、強く速いボールを蹴るキック力。

三浦淳宏は凄い。
+チームガイスト以降、”無回転シュート”を蹴り始めたにわかシューターが
その凄さを際立たせる。

足跡 of 森勇介 [ その他サッカー ]

先日の川崎戦で、規郎にケリを入れた森
奴の行状をまとめてみた。
ヴェルディ川崎時代と、2002年の京都の記録は見つからなかったので、それ以外を掲載。

 年  チーム 試合数 出場時間 警告数 退場数 出場停止数 平均警告数 平均退場数
1999  V川崎
2000  V川崎
2001  仙台  29   2446   10   2    6    245     1223
2002  仙台  11   926    4    3    3    232     309
    京都
2003  京都  11   451    2    0     0    226     0
2004  京都  18   1508    6    1     2    251      1508
2005  川崎   3    120    1    1     2    120     120
2006  川崎  26   2222   10   0     3    222     0
通算      98   7673   33   7    16    233     1096

平均警告数:出場時間/警告数
平均退場数:出場時間/退場数

今回の集計によると、平均2試合半で1枚の警告、12試合で1度の退場をしている。
またWikipediaの森勇介の項によると、原博実から
「あとは警告を受けないようにするだけ」と言われたとか。
2002年9月9日、警告の多さから仙台を解雇される、という前代未聞の経歴を持つ。
2005年11月20日のセレッソ大阪戦で試合不出場にも関わらず退場処分を受けるという荒技を披露。
2006年10月25日「もし(イエローカードを)1枚もらっても、退場はない」と宣言

で、こんなコメントを出した2週間後の試合で規郎にケリを入れてると。
まぁそういう人です。

スキンヘッド浩二プリーズ [ その他サッカー ]

スイスという欧州の中ではマイナーリーグに所属の上、
DFということもあってなかなかその活躍ぶりが伝わって来ない中田浩二だが、
監督からの信頼厚く、完全にセンターバックのレギュラーとして固定されている。

オシム監督が選考に困って本職が2人しかメンバー入りしていないくらい人材不足な
日本代表のセンターバックにぜひ入って欲しい。

中田浩二は高さも182あるから低くはない。
闘莉王より3センチ低く、坪井より3センチ高い。

攻撃面でもロングフィードの中田浩二と
ドリブルで持ち上がってミスパスする闘莉王(笑)と、
バランス(?)が取れている。

トルシエ時代にセンターバックをやっていた最大の理由が左足だったわけだから相当なものだ
(今振り返ってみれば、DFラインからのフィードを生かしたくて
本職ではなかった中田浩二をワールドユース直前に抜擢し、
それでワールドカップ本大会まで戦ったのだからずいぶん思い切ったことをする)。

加えてJリーグ所属時からは想像もできない、この迫力
はっきり言ってコワい。

ドルトのラストミニッツ [ その他サッカー ]

カッコいいなぁ
最後の数分間だけ異常に強かったり、アウェイでは弱いけどホームで無闇に強かったり。
特定の条件以外でもちゃんと戦えよと思うけど、人間くささがあって愛着がわく。

Jリーグではビッグクラブが出現してきたが、こういう味のあるチームも増えてきて欲しい。
市原が一時期、リーグ戦臨海無敗記録をかなり長い間続けていたことがあったっけ。
それが観客動員に結び付いていなかったのが悲しかったが。

東京は、降格枠のチームに弱いとかいうのが伝統にならなきゃいいけど。

フリーキックの名手 [ その他サッカー ]

UEFAチャンピオンズリーグ0607グループF第1戦 マンチェスター・U対セルティックをTV観戦。

スコア的には23と僅差の敗戦だったセルティック。
だが2得点の内わけはファーディナンドのミス絡みの得点と、中村のフリーキック。
内容的には決して僅差ではなかった。

中村がボールを持っても周囲の動きが少なく、出しどころがない。
その中村にしてからが、パスを足元でもらおうとし過ぎ。

ユナイテッドは特に中村をマークしてきたわけではないので
ユナイテッドの中盤のラインと前線のラインの間にポジショニングすれば
積極的に動かなくてもさほどプレッシャーはかからないが、
結局パスを出せず、すぐにバックパスで戻す状態が多発。
プレイスキックはともかく、流れの中から実効あるプレーは見せられなかった。

さすがに海外での経験が長くなってきたので、
ボールを持った時に相手のプレッシャーをかわす技術はうまい。
あともう少し磨きをかければ「華麗」と呼べるレベルだ。

しかし、DFの裏を突こう、スペースを突こう、自らの動きでスペースを作ろう、DFを自分に引き付けよう
こういったオフザボールの動きに対する意識がほぼ皆無。
まぁまずオシムには招集されない。
今の代表にフリーキック要員の枠はない。

要の稲 [ その他サッカー ]

UEFAチャンピオンズリーグ0607グループリーグ第1戦 ガラタサライ対ボルドーをTV観戦。
チェルシー対ブレーメンの試合と迷ったのだが、結局稲本見たさにこっちにした。

ガラタサライのユニフォームに身を包んでピッチに立っていたのは、
ワールドカップ日韓2002や、フルハム時代の0304シーズンにマンチェスターU戦で
ビューティフルゴールを決めたような守備よりも攻撃で目立つ稲本ではなかった。
かなり守備的になったウエストブロムの稲本よりもさらに守備的なイメージ。

カウンターの時も遅効の時も、中盤で相手の攻撃をつぶすつぶす。
監督がチームリーダーに指名したくなるのもわかる。
守備面では間違いなく稲本が要だ。

ただ、役割的にはボランチでもセンターハーフでもない、守備的MF。
つまり攻撃面ではほとんど顔を出さずじまい。
積極的にボールをもらう動きをほとんどなく、攻撃時には歩いていることがほとんど。
時折鋭いロングパスを出すが、精度はそこそこといったところだ。

まだ公式戦2試合目だから味方との呼吸が合わない部分もあるだろうし
相手が割と高めの位置からプレッシャーをかけてきたせいもある。
やっぱりDFラインからボールを引き出し、長短のパスをさばいて
攻守の要になって欲しいという願望はあるが。

むしろ心配なのは、CLでこの後、チームとして守備が対応出来るのかどうか。
ボルドー戦では稲本の個人能力にガラタサライ守備のかなりの部分が担わされているような状態だったから、
相手のレベルが上がって稲本のファーストアタックを個人技やパスでかわされたらどうすんのかね。

ボルドーはアウェイで難なく引き分けに持ち込んだ印象だから
ガラタサライの決勝トーナメント進出はかなり難しそうだ。

ミスリード [ その他サッカー ]

とんでもない記事を見つけた。
スポナビでふとクリックしてみたこれ
名前が書いてないんで一体どこの誰が書いてるのかさっぱりだけど、一番驚いたのが最後の一文。

ところで「走らないサッカー」って、
ぶっちゃけ個人技に長けたブラジル代表とか華麗なパスサッカーのバルセロナみたいなイメージ?
、、、とんでもないですよね。
「とんでもないですよね。」という言葉がどういう意味なのかちょっとつかみにくいのだが、
直前の文を否定する「そんなわけはないですよね」という意味ではないのは
その前段の記述からわかる。
「未熟な日本」=「走るサッカー」
がそれ。

当然これを受けての「走らないサッカー」なわけで、
その対局にある、個人技に長けた、あるいは華麗なパスサッカーの
「ブラジル代表&バルセロナ」=「走らないサッカー」
と読み取るのが自然だからだ。

まぁブラジル代表には走らない奴もいるけどね。
バルセロナが走らない?
走り回ってるでしょ。

この人のサッカー観て、70年代あたりで止まってる。
プレッシングという守備戦術が普及して以来、
華麗なパスサッカーであろうと、走らないということはあり得ない。
当たり前だよね、走らなかったらプレッシャーを受けてパスをつなぐどころではなくなる。

意図的なのか、それとも天然なのかは不明だが、
この記事によってミスリードされてしまうファンがいるかも知れない。
いや、いるんだろうな。
私からすればアホみたいな内容だけど、この記事は(元を辿れば大Yahooの)
スポナビというメジャーなメディアのページ内からリンクを張られているのだ。
そこだけ取り出してみれば信憑性に乏しいと判断は出来ない。
それに、この手の記事を書く人はプロにも結構いるんだし。
悲しい現実だ。



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