ダニーロのインテルデビュー戦 [ FC東京 ]
観ましたよJ SPORTS。
ブラジル全国選手権第6節 フラメンゴ対インテルナシオナル。
この試合はダニーロのインテルデビュー戦だそうで。
開幕第6節にしてケガ人続出、スタメン7人を入れ替えて臨まざるを得なくなったインテルが
窮状をしのぐために急遽補強した選手の内の一人らしい。
解説の向笠さんがダニーロのことを知らなかったので、
もといたバイーアでもあまり出番がなかったのだろう。
バイーアは最終的には最下位になったチームなのだが。
だが、そんなマイナス要因を吹っ飛ばす活躍をダニーロはこの試合で見せた。
先制点を決めたゴールの嗅覚はもちろんだが、
キープ力、運動量、プレイスキックはかなりのハイレベルである。
ドリブルは相手DFを切り裂くタイプではなく、タメとして使われることが多い。
ボールタッチは柔らかく、いかにもブラジル人ぽい。
DFラインまで下がってくることはないが、右へ左へ、ピッチを駆け回っていろんな所へ顔を出し
ボールをもらって少しドリブルしてパスを出す。
そうやって攻撃のリズムを作り、最終勝負にも絡んでいく。
デビュー戦にもかかわらず数多くのボールをもらえているのは、
チームメイトにその実力とポジショニングを認められているからだろう。
しかし、1トップにオゼアス(元神戸・新潟)、その下にダニーロ、サイドもあまり上がり気味ではない
ということで、前へのパスの出しどころがあまりなかったせいか、
決定的なシーンを作るパスは見られなかった。
放送中、実況の倉敷アナが「ひらひらしている」と形容していたが、
まさにそんな感じで、動きが軽やか。
それだけ見てると簡単にDFに飛ばされそうだが、そんなことはない。
小柄ながら、相手DFを背にした押しくら饅頭にも負けることがないし
簡単に倒れたりしないのでファウルを取ってもらえる。
そして何より、周囲を生かそうというプレースタイルがいい。
移籍してきて初めての試合、気負いもあるだろう。
目覚しい結果を残してアピールしたい気持ちもあるだろう。
だがその決して個人プレーに走らない落ち着き払ったプレーぶりは
年齢的にも状況的にも似つかわしくない成熟したものだった。
はっきり言っていい選手だ。
デビュー戦を見る限り適応力が高そうなので、日本の、東京のサッカーに慣れるのも早いだろう。
ケリーとやや似ているが、ケリーよりも球離れが早く、若い分さらなる伸び代が期待できる。
東京がこの選手に賭けてみようという気になるのもわかる。
試合後に向笠さんが言った、「インテルはいい選手を獲った」という言葉、
何ヶ月か後の東京も言われるようになっていて欲しい。