竜頭蛇尾 [ 年代別代表 ]
オリンピック北京2008アジア地区最終予選 アウェイでの日本対ベトナム。
4-0という微妙な勝利。
このチームは本当に会心の勝利に縁遠い。
前半は3−0という結果はもちろん、内容でも今予選最高の出来ではなかっただろうか。
オフェンシブな選手以外の守備的な中盤やDFラインの選手も見せるアグレッシブな姿勢。
攻撃にかける人数は多く、裏への意識が高い。
ところが後半。
相手の勢いに押し込まれる展開が20分過ぎまで続く。
その後ようやく攻勢を取り戻し、終盤に決定的チャンスをつかんで1点を追加するも、
せっかく得たPKを甘いコースのキックで止められ、結局消化不良で終わった。
この試合の最低ラインは3-0だろう。
カタールにプレッシャーをかけられる理想は6-0くらいか。
それからすると、4-0という結果は微妙な数字である。
あの本田のPK失敗がなければ、ということにならなければいいが。
あなたが必要です [ 日本代表 ]
今夕、衝撃的ニュースが。
歓喜から10年目の悲劇
私の関心事はただひとつ、回復後も代表の指揮を執れるのかどうか。
日本サッカーを理想へと引っ張ってくれるオシムが必要だ。
飽きた [ FC東京 ]
一泊して昨日の夜新潟から帰って来た。
PKで決勝点を奪われるという無念さの残る展開だった。
前半意識してるなと思ったのが、サイドチェンジ。
逆、逆を突いて行こうという意図を感じた。
若干守備に重きを置いているとは言え、アグレッシブさが出ている良い戦いぶりだと思った。
惜しむらくは足元パス。
ボランチへのパスをさらわれての失点はPK以上の痛恨事だし、それ以外にもさんざん狙われていた。
単純なミスもあるけど、J1でここまでスペースに対する意識に乏しいチームも珍しいんじゃないのかね。
こういうこと書くのもうホント飽きた。飽きたって書くのももう飽きた。
期待外れ [ その他サッカー ]
BS朝日にてACL決勝 セパハン対浦和を観戦。
結果は1-1で浦和がアウェイを乗り切った形になったが、いやーつまらん試合だった。
私は特に浦和に勝って欲しいとか負けて欲しいとかの思い入れはなく、
単純にACL決勝という大舞台でおもしろい試合が観られたらいいなというそれだけ
(そのチームのサッカーの内容によっては応援したくなるチームもいるが、
浦和は応援したくなるようなチームではない)。
その期待を大きく裏切る凡戦だった。
浦和のあの疲労困ぱいぶりは何なんだと思うくらい。
イランまでの移動は大変だとは言え、気温17度、湿度15%と気候はさほどハンディではない。
10/3にアウェイで城南戦を戦った後、今日まで1ヶ月ちょいの間に4試合。
およそ6日に1試合の計算。
その間の開催地には恵まれていて、城南の後、駒場、フクアリ、埼スタ、埼スタ、そしてイラン。
国内の移動距離的には優遇されている
(ちなみにこの後も、試合数は立て込んでいるが移動距離は少ない
等々力、埼スタ、埼スタ、埼スタ、駒場、日スタ)。
日曜に開催された天皇杯4回戦は浦和の場合28日に延期されているので、
前の週のJリーグから数えると中9日空いている。
悪くない日程だと思うが。
もう少しさかのぼって9月後半の日程はすごいね。
シーズン終盤だし致し方ないのだろうか。
いずれにしろ第2戦もいい試合は期待できなさそうだ。
余談だが、セパハンのスタジアムは意外とこじんまりしていて拍子抜けした
(5万人収容だそうだが本当か)。
98-99シーズンのアジアクラブ選手権決勝 エステグラル対磐田於アザディスタジアムの
10万のアウェイ(こぶし大の石が飛んで来る!)並みを期待していたので、こちらも期待外れだった。
鏡 [ その他サッカー ]
某サポティスタで再三に渡って紹介されているperfumeというテクノポップグループがいる。
サッカーとは全く無縁にも関わらず、あまりにも何度も登場するので一体どんなもんかいねと思い、
この間ついに聴いてみた。
なるほど、確かにいい。
ただ、サポティスタからリンクを張られたperfumeについて語られる言説の多くが
アイドルとかアーティストとか、そんなカテゴライズとは無縁な越境者なのだ、
ということを力説していて、それがとても奇異に思えた。
元来アイドルなどという存在に疎いおじさん(私のことだ)にしてみれば、
perfumeがアイドルかどうかとは全く関係なく、
優れた音楽発信源のひとつであるという以上の何者でもない。
仮にアイドルとアーティストとの越境者だったとして、
異なるジャンルの越境者など歴史を見渡せばたくさんいるし。
それなのに、perfumeがここまでやって来れて、売れ始めたことを
奇跡とまで言う人もいる。あり得ないとか。
何故そこまで、と思うくらいのすごい言われようだが、
どうやらアイドル性と音楽性の高さとが両立しないというアイドル/音楽業界の事情があるらしい。
Hang Reviewers Highから引用の引用になるが、
大半の女性アイドル歌手には、「どうせ誰も本気で歌なんか聴きゃしないんだから、この程度で十分でしょ」と言わんばかりの、やっつけ丸出しの曲しか与えられないのが、今も常識です。そして、これはさらに情けない話、実際のところ曲の良し悪しよりも、「握手会参加券封入」とかの方が、遙かに売り上げに結果を残すことが多いのも事実ということなのだ。
商業主義。
作品としての中身を度外視して表層的なものの価値のみで売ろうとする、私が最も忌み嫌っていることだ
(どこに価値を見出すかは人によるので、これはあくまで私個人の考え方である。
ただし、作り手が商業主義に陥っていて、そして受け取り手がそれを甘受していると、
遠からずその分野はスポイルされる。
たいていはそれで完全に廃れてしまうということはなく、反動としての再生が始まるが)。
ここまで考えを進めて来てふと気付いた。
ことあるごとに”内容至上主義”(注)などという言葉を使って声高にサッカーの内容の重要性を叫び、
プロフィールにもその旨を宣言している自分に。
サッカーにおいて勝ちさえすればいい勝利至上主義がまかり通っている現状を憂いている自分に。
そう、何のことはない。
私は、アイドルの(”内容”としての)音楽性が軽視されているアイドル/音楽業界を憂いている
(そしてついにそれを両立させるグループperfumeが登場して狂喜する)
ファンと同じ穴の狢だったのだ。
ともすればプロであるということを免罪符に
内容を追求することが軽視されがちなプロサッカー界を憂える私は
鏡に映る自分の所作を見て、あいつ何やってんだろう?と不思議がっていただけだったのだ。
音楽をやる以上、その内容(音楽性)で評価されるべきなのは当然である。
それは、文学だろうと映画だろうと絵画だろうとゲームだろうと何だろうと同じだ。
そしてまた、プロサッカーでも同じである。
誤解のないよう念のため書き添えておくが、プロである以上勝利を目指すのは当然である。
ミュージシャンで言えば、売れるために努力するのは当たり前である。
そうしたことを前提として当然踏まえていない限りプロとして成立しない。
だから、プロは勝ってナンボなどと低次元なことを言われても困惑するばかりだ。
そんなことは前提として消化しておくべきことだからだ。
前提条件を俎上に上げられたってどうしようもない。
議論すべきなのは、プロとして目指すべきなのは、その上のレベルである。
上のレベルを目指さない分野は必ずジリ貧になる。
サッカーファンが増え、競技人口が増え、土台が大きくなることでピラミッドの頂点が高くなる
そうした発展をしていくためには、勝ちさえすればいいなどといった貧困な発想で果たして可能か。
不可能である。
だから私はまたしても声高に叫ぶ。
たまに出現する"Perfume"に狂喜する貧困な状況を脱するために。
(注)
ここで言う”内容”とは(既に当ブログでは何度か書いているが)
選手の頑張りと、サッカーの質の高さを指す。
選手の頑張りというのはやや抽象的だが、勝利を目指して必死になる姿や、
質の高いサッカーを目指して奮闘する姿勢を言っている。
強い意志の元に行われる不断の努力はそれだけで感動を呼ぶ。
だから広義の”内容”に含めている。
激辛勝 [ FC東京 ]
天皇杯4回戦 東京対TDKは2-1の辛勝。
いやー、これだけ内容がなくてもサッカーって勝てるんだな。
目からウロコである(もちろん皮肉。念のため)。
しかも、帰って来てから清水対明治大学がPK戦にまでもつれ込む激戦だったことを知った。
BS1での中継を家で観てた方が良かったんじゃないかと思ったくらいだ。
遅攻だとまるで形にならない。
相手の守備ブロックの周囲をひたすらボール回しする。
JFL相手で崩せないんだから、J1相手にやれと言っても元来が無理な相談なわけだ。
つーか、わざわざ狭い中でボールを回し、パスは足元、数少ないフリーランは単発、
味方の動きを見ていないボールホルダー、結局出すロングボール。
そもそも相手の守備ブロックを崩そうという意識がないようにしか見えない。
一回だけおっと思ったのが、後半の半ばくらいだったか、
味方MFがボールを持ってルックアップした瞬間、
相手SBとCBの間のスペースへ平山がすっと移動してボールを引き出し、
自分の空けたスペースへルーカスが飛び込むのを見越して、ダイレクトヒールで流したプレー。
自分動きがスペースを作る、そして味方にそのスペースを使わせるという意識をうかがわせるプレー。
栗澤の動きは結構その辺を意識しているようだったけど、今の東京にはあまりにも少ない。
東京がどういうサッカーをやろうとしてるのかにもよるけれど、
前やっていた高い位置からのプレッシング+ショートカウンターほどガツガツ行かないし、
平山へのキック&ラッシュが目指すサッカーでもないだろう。
なんだかはっきりしない状態なわけだ。
私が断言するまでもないことだが、この状態で天皇杯優勝は100%無理である。
追記
歴史的一戦 [ FC東京 ]
J1第30節 東京対川崎は0-7で惨敗。
多摩川クラシコの名に恥じる試合だった。
今日の試合の一番の収穫は、ジャーンがいないとハイボールを跳ね返せないのがわかったということか。
川崎はロングボールというよりハイボールと呼べるようなのを何度も入れて来てた。
普通ハイボールというとハイクロスと同義だけど、DFラインから入れて来るロングボールが無茶苦茶高い。
これがまた結構嫌なところに落ちてくるんで、DFラインは下げさせられるわ、
処理は誤るわ、セカンドボールを拾われるわ、バタバタするわで効果てきめんだった。
逆にクロスは低くて速いボールを入れる。
ふんわりしたボールが逆サイドに抜けてしまうことの多い東京と対照的だ。
私の中では内容で圧倒されたというより、結果で圧倒されたという印象のこの試合だが、
上記のような川崎の現実的な戦い方、そして際立つ一対一の強さ、シュートの強烈さ、正確さ、
この辺がそういう印象につながっている。
川崎のシューターは、かなり思いっきり撃ってもちゃんと枠内に行くからすごい。
この間のチャンピオンズリーグ チェルシー対シャルケ04戦では、
前半を終えてチェルシーの計11本のシュートのうち、ショッツオンが8本、ショッツオフが3本。
世界レベルではそんな数字をたたき出すのだが、それに近い印象だ。
東京のシュートはとにかく枠に行かない。
両チームのシュートの意識の違いをみんな感じただろうし、私自身ももっと撃てよと思うが
あの精度じゃ撃てないだろうなとも思う。
選手自身が自信を持ってないし、実際撃ったところであれじゃあ。
撃ってくれて助かったと思われる程度の精度じゃはっきり言ってダメだ。
まあそんなわけで次は天皇杯。
ボール主体から人主体へ [ サッカーゲーム ]
YouTubeに上がっている、Wii版ウイニングイレブンのチュートリアル映像がすごい。
最初はもちろんショートパスから始まってドリブル、スペースへのパスなど基本の技が紹介されるが、1分10秒を過ぎた辺りからすごいことになってくる。
今までのウイニングイレブンでは、スペースに走り込むことは可能だったが、スペースを作る動きは出来なかった。言い換えれば、今までのウイニングイレブンがボールを動かすことが主体だったのに対して、Wii版ウイニングイレブンは、人が動くことが主体である。
当ブログでさんざん書いている、ボールを動かすにはまず人が動け、これがゲームの中で再現出来るようになったのだ。これはサッカーゲームの歴史上、大きな転換点、エポックメイキングな出来事だと言えるだろう。
実際どういう操作をしているのかがちょっとわからないのだが、第3の動きどころではない、第4、第5の動きまで(それ以上も)ほぼ同時に操作が可能なようで、2分20秒過ぎのコーナーキックでは、人が密集していることもあって慣れていない目には何が何だかわからないくらい同時多発的に操作が行われている。
選手の動かし方の多様性が増したということは、その多様性に付いて行かなくてはいけない守備側は難易度が増したということだ。もちろん相手との力関係によるが、うまい人とそうでない人との格差は当然広がる。
サッカーを始めたばかりの人が、次のプレーは予測出来ても次の次のプレー、さらにその次のプレー(当然選択肢は枝分かれしてどんどん増える)を予測することが出来ないように、このゲームでも複数の選手を動かして効果的なプレーをするのには熟練が必要だろう。それだけ奥が深くなったと言える。
不思議なのが、これがWii版で出て来たということで、ユーザーインタフェースの違いがこれだけの変化をもたらしたのか、ということだ。げに恐ろしきはWiiリモコン、なのか。