最強の敵 [ 日本代表 ]
アジアカップ2007の準々決勝残りの2試合をNHK-BSで。
長いボールでリスク回避に終止したイラン対韓国は凡戦。
他の人はどうか知らないが私には何も書くことがない。
おもしろかったのはサウジアラビア対ウズベキスタン。
2トップ+2程度の必要最少人数で個人技と身体能力を生かした高速アタックを仕掛けるサウジアラビアと、
ペナルティエリア内に3人、ボールのあるサイドに2人、逆サイドに1人、ペナルティエリア手前に1人
といった具合に、人数をかけてグループでDFを崩すイメージを持ったウズベキスタン。
互いの特徴が良く出た好ゲームとなった。
ウズベクは目指す方向性が日本と似ていて好感を持ったが、
開始直後と終盤でのサウジの高速アタックに沈んだ。
サウジは強い。
オーストラリアなんぞより遥かに強い。
解説の木村も言っていたが、2トップと攻撃的MF2人はどいつも要注意。
2トップの20番と9番を捕まえるのはもちろん、
2点目のように2列目からものすごいスピードで飛び出すのを捕まえられなかったら日本は負ける。
しかもみんな揃ってボールテクニックがある上に身体能力が高いので、
スピードに乗らせたら手が付けられない。
サイドをスピードで突破されてガーっとDFラインを下げさせられて
中のマークがずれる、またはバイタルが空く、
なんてのは容易に想像出来るシチュエーションだ。
特に驚いたのが9番。
スピードは言うに及ばず、ジャンプ力が半端ではない。
身長167cmにも関わらず、CKで180cm台のウズベクDFより頭ひとつ抜け出て
強烈なヘディングシュートを見舞っていた。
ウズベクのDFがあ然としていたのが笑えたが、これを準決勝でやられたら笑ってなどいられない。
スピードに乗っていない状態なら、ボールホルダー以外は立って見ているような状態。
顔を出したり味方のためにスペースを作る動きとかはあまり意識されていない。
その時ボールを持った選手が単独で勝負を挑んでいる感じなので、日本とは対極にあるスタイルだ。
そういう場合は怖さ半減と言ったところだが、
たまに思いがけないタイミングやコースにボールが出たりするので油断は出来ない。
そしてミドルシュート注意。
前々回のレバノン大会決勝でもそうだったが、ものすごいところからものすごいのを撃ってくる。
シュートレンジがアジアレベルではない。
日本はウズベク(あるいはグループリーグでの日本)のようにダイナミックに攻撃を仕掛けるべし。
準々決勝での日本はパスとドリブルの使い分けや、緩と急、
ボールホルダー以外の選手の動き、これらの振れ幅が小さいので相手DFの裏をかけない。
DFの見ている目の前でいくらこちゃこちゃやったって怖くないんだから。
それと、これも中継で述べられていたがファーを狙うべし。
ひと山越した裏にはマークが付かないのと、GKがその辺の判断がどうも苦手らしくかぶることがある。
サウジの攻撃陣は協力である。
失点の確率は準々決勝と比較して何倍にもアップする。
優勝までの最大の難関になるだろう。
怒り心頭 [ 日本代表 ]
アジアカップ2007準々決勝日本対オーストラリアをNHK-BSで観戦。
このチームになって初めて怒りを覚えた。
瀕死の、一人少ないオーストラリアに、タイより決定的チャンスが少ないってどういうことだ。
タイは前半20分過ぎに先制して引きこもるオーストラリアに対して何度も
決定的チャンスを作ったんだぞ。
野地アナウンサーはNHKではあるが、やはりマスコミの人間だ。
延長を含めた120分の戦いを終えたスコアは1-1の引き分けである。
ワールドカップのリベンジなど果たしてはいない。
とにかく全てが遅い。
ランのスピードが遅い、仕掛けのタイミングが遅い、パススピードが遅い、
ボールを奪った後の展開が遅い、サイドチェンジが遅い、選手交代が遅い。
加えて、サイドからの切り込みがない、攻撃時のペースアップがない、
何よりチャレンジが少ない。
120分間ずるずるずるずるのんべんだらりと戦って、
完全に勝てた相手に運任せのPK戦に持ち込む必要はどこにもない。
準決勝のことを考えたら、無駄に延長戦を戦ったり
PK戦で精神的な疲労を溜めることは避けたかったはずだ。
日本代表は自分で自分の首を絞めているのである。
ここへ来て、日本代表は
何のチャレンジもなく省エネサッカーで結果だけはもぎ取る
ジーコ監督時代の糞サッカーに堕した。
予習 [ 日本代表 ]
アジアカップ、オーストラリアの1次リーグ最終戦、タイ対オーストラリアの試合で日本戦の予習を。
結果として4-0でオーストラリアが勝ったわけだが、私は何ら怖い印象を持たなかった。
オーストラリア守備陣は高さには強いが、
ボールと人の動きで揺さぶれば得点は十分に可能だ。
オーストラリアがやってくることは、FWへのロングボール、FWへのくさび、
サイドからのクロス、それから高さを生かしたセットプレイである。
極めてオーソドックス。
サッカーそのものの質はタイの方が明らかに高かった。
タイはミニ日本と呼べるようなショートパスサッカー。
ドリブル突破や第3の動きも効果的に繰り出し、特に右サイドを再三破った。
これで、3バックの逆サイドを突くサイドチェンジ
(それを可能にする視野の広さとロングキックの精度)や、
決定的場面でキーパーの正面を突いたシュートにもっとコースを狙う冷静さと正確さが伴えば、
タイが決勝トーナメントに進出していても全く不思議ではなかったと思う。
はっきり言ってオーストラリア恐れるに足らず。
守備陣に致命的ミスさえなければ勝てる。
ケーヒルだけはちょっと嫌だが、奴が出て来るまでに3点差くらいにしておけば問題ない。
復習 [ 日本代表 ]
アジアカップ2007 日本対ベトナムは4-1で勝利。
久々に代表戦をNHK-BSで観た。
いいなぁNHKは。
前回アップした記事で挙げたポイントについて見て行きたい。
>遅効の時はボールをつないでサイドからのクロスを狙うが、これはあまり怖くない。
これは予想通りだった。
クロスから招いたピンチは記憶にない。
>ベトナムのFWはシュートへの意識が高く、遠目からでも積極的に撃ってくる
これも予想通りか。
精度はもうひとつだが、何度かあわやというミドルシュートがあった。
>相手の守備で特徴的なのが、基本4バックなのだが、CBが4人いるような状態なところだ。
これは日本のクロスの精度が相手を上回った。
日本の1点目、巻の胸シュートの場面は、早い段階で相手DFの裏にボールを通して
サイドハーフが戻る猶予を与えず、サイドバックが中村俊のケアに出た。
それでも中には3人いたが、みんながみんなボールだけを見ていた。
結局、人数を揃えてもマーキングの能力が低いので、
味方にぴったり合わせられれば得点につながると。
>中村憲や遠藤はより一層シュートへの意識を高くして望む必要がある。
あまりミドルシュートはなかったなぁ。
撃つチャンスはあったと思うが。
>ベトナム戦はまず最初に前線からプレッシャーを強くしてラッシュをかけたい。
プレッシャーを全くかけなかったわけではなかった。
前線の2人と中村俊あたりで前から行ったりもした。
が、コンディションに優れるベトナムにかわされて、有効な攻撃にはつなげられなかった。
基本的には日本はスロースタート。
少なくともこの大会ではこのスタイルを変える気はなさそうだ。
さあて次はオーストラリア。
タイとの試合を観てまた予習したい。
偵察 [ 日本代表 ]
アジアカップの開催国ベトナムが熱いという評判だったので
先日の日本対UAEに先立って行われた、ベトナム対カタールの試合を録画で観た。
ベトナムでは2000年にプロ化を前提にVリーグがスタートして、01年にプロ化。
日本と同様にプロ化が代表の強化を大きく牽引しているようだが
なるほど、試合序盤こそ安全第一に長いボールを蹴っていたが、
落ち着いてくるとボールをきちんとつないで攻撃を仕掛ける。
この辺りを観ると以前より個々のスキルがアップしているとは思うが、
解説の木村が散々言っていたほどレベルは高くない。
木村は昔のベトナムと引き比べて驚きの余り高い高いと言ってしまうのだろうが。
それからチーム戦術的にも、意志統一はかなり強固にされているが
質的なレベルはそんなに高くない。
要は引いて守ってカウンター、ただしFWに任せっきりにしないで
中盤や、時にはDFラインからもフォローが出る。
遅効の時はボールをつないでサイドからのクロスを狙うが、これはあまり怖くない。
サイドの高い位置でボールを持った時、
相手DFを抜いて深い位置からクロスを上げることをしないからだ。
おそらく相手をかわすだけのスキルがないので、チャレンジしてボールを取られるよりは
早めに上げてしまおうということなのだろう。
だから位置的にはアーリークロスだが、
タイミング的にはアーリーではないという状態になり、精度も良くない。
日本のCBなら危な気なく対処出来るはずだ。
だからやはり日本が失点するとしたら、守備が整わないうちにシュートに持ち込まれた時。
今の代表は人数をかけて攻撃をするので相手のカウンターが余計怖い。
ベトナムのFWはシュートへの意識が高く、遠目からでも積極的に撃ってくる
(なかなか相手DFを崩した状態を作れないという事情もあるだろうが)。
精度はイマイチだが、それでも1試合に1、2回はハマる場合がある。
相手の守備で特徴的なのが、基本4バックなのだが、CBが4人いるような状態なところだ。
4人のDFは、ペナルティエリアの幅から出ない。
おそらく高原には3人がマークに付くだろう。
サイドに進出して来た相手には、サイドハーフがケアに当たる。
普通はSBがまずケアに当たり、サイドハーフが戻って来てサンドすることになるが、
そんなことはしない。
この場合、たとえサイドで数的優位を作って良いクロスを上げても、
中央には4人のCBがいることになる。
引いた上に最終ラインに人数をかけて守るので、高い位置でボールを奪うという意識はない。
だからひとつのポイントはミドルシュートだろう。
中村憲や遠藤はより一層シュートへの意識を高くして望む必要がある。
これまでの日本は、かなり慎重に試合に入っているようだが
ベトナム戦はまず最初に前線からプレッシャーを強くしてラッシュをかけたい。
そこで先制を奪えれば万々歳、ダメならじっくり攻める。
私ならそうするが、オシムはどうするか。
頼れる男 [ 日本代表 ]
アジアカップ2007 1次リーグ第2戦日本対UAEは3-1の勝利。
この試合はやっぱり高原だろう。
オシム監督も言っている通り、ドイツでレギュラーFWを張ってるのは伊達ではない。
彼にしてみれば、カタールやUAEのDFなど全く取るに足らない存在なんじゃないだろうか。
彼の活躍で完璧な前半だったが、後半に不満が残るおかげでスコアの割には快勝の感触に欠ける。
一人少ない相手にあれだけ押し込まれて失点してしまうのは頂けない。
次はベトナム戦。
開催国ということで、相当選手もサポーターも気合いが入っているようなので
おもしろい試合になりそうだ。
気温34°下の差 [ 日本代表 ]
アジアカップ2007 1次リーグ第1戦日本対カタールは1-1の引き分けに。
惜しかった。
遅れて帰って来て、TVをつけたのは前半20分頃。
目に入って来たのは選手が全く動いてなくて、
DFラインと後ろを向いたボランチの間でパスを回すだけという、
3年前にタイムスリップしたかのような日本の戦いぶり。
聞けば気温34℃ということで、かなり省エネモードだったか。
それでも後半に入ると徐々に動きが生まれて来て、良い形を作れるようになった。
流動的というほどではないが、各々が少しずつ動きの量を増やして
適切なタイミングで縦のポジションチェンジなどを繰り出せるようになり、
後半20分過ぎの羽生投入前後をピークとして日本らしいサッカーを見せられたのが、
やはりジーコ監督時代と違うところだ。
先制の場面もさすがといった感じ。
あんな詰まった状態から、さらにDFを崩してクロスを上げて得点を生むなんて、
例えば今の東京には出来ない芸当だ。
アシストをしたのが今野というのが皮肉だが。
結果的に引き分けに終わったのが残念ではあるが、
今後の活躍に期待が持てる試合だった。
何故か主役級 [ 日本代表 ]
伊野波ら日本代表がハノイへ出発
追加招集なのに何故か主役的扱いの伊野波。
出場機会はそうはないだろうけど。
可能性があるのは2試合でグループリーグ突破を決めた後の3戦目くらいか。
とは言え、いきなり追加招集されてワールドカップでの出場まで果たしてしまった茂庭の例もあるし。
とにかくがんばれい。