寂寥、秋の空とともに [ 女子サッカー ]
昨日は、東京の試合観戦を録画に譲り、駒沢でTASAKIのなでしこリーグ最終戦を見届けてきた。
吉祥寺通りをずっと南東に下って、さらに環八から246へ。
片道12kmを自転車で行ったのだが、ちょっと遅れてしまい、到着は試合開始後15分くらい。
その時点で既にベレーザが先制点を決めていた。
そして内容からしても、中盤を圧倒して
個人技とパスワークのバランスが絶妙なベレーザの攻撃に対し、
裏狙いのFWへのロングパスくらいしか攻め手のないTASAKIとでは、その差は歴然。
大差がつくと思われた(実際結果的には4-1となった)が、
35分、阪口から大石へベレーザCBの間を通す絶妙なロングパス。
それを大谷につないで、大谷が右足のシュート体勢から左足に持ち替えて一閃。
見事サイドネットを揺らしたのだった。
私が女子サッカーを観始めて最初に好きになったのが、
テクニックやフィジカルで飛び抜けたものを持っているわけではないけれど、
小さな体から溢れ出る気迫と運動量で献身的な働きをする大谷選手だった。
その大谷が少ないチャンスを生かしてベレーザから1点をもぎ取って同点に追い付いた。
カッコいい。無茶苦茶カッコいいぜ大谷未央。
試合は後半にPKからベレーザが勝ち越し。
これは痛かった。勝ち越し点がPKから生まれるとは。
さらにその4分後、CK後の混戦から1点を失う。
TASAKIは最後まで諦めずに追いかけたがかなわず。
結果4-1での敗戦となったのだった。
試合後、TASAKIの選手達がサポーターへ深々と一礼。
それを発端にベレーザサポーターからTASAKIコールが起こり、
TASAKIサポーターがベレーザコールを返し、
それにまたベレーザサポーターがTASAKIコールを返して。
美しい光景だった。
その後TASAKIの記念撮影があり、引退するベレーザ選手のセレモニーがあり、
池田選手へのTV用インタビューが行われ。
TASAKIのなでしこリーグ最終戦は終わった。
それにしても、チーム自体が消滅してしまう
TASAKIの選手達、サポーター、スタッフの胸中はいかばかりか。
心中察するに余りある。
と言うより私などには察し得ない。
まれに見る大混戦のJリーグが佳境を迎えている今、
いわゆるTASAKIサポ、ベレーザサポ以外でなでしこリーグに足を運ぶのは、
サッカーファンの中でも酔狂な連中と言えるだろう。
そんな私たちが見守ったこの試合は、何とも言えない寂寥感が漂いつつ終了したのだった。